表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/38

第37話:王立図書館と古代魔法と古代魔獣

「ロジェ、リリアント。ここがドルガ図書館の“禁じられた棚”だ」


 カイザラ-ド帝国の国防魔道具暴走事件が収束してから数日後。

 俺とリリアントはジークに頼み、ドルガ図書館に案内してもらった。

 天井は届かないほど高く、書物の収まった棚が数え切れないほど設置されている。

 さすがは国内一の図書館。

 蔵書量は計り知れない。

 巨大な図書館の一番奥の部屋に、“禁じられた棚”はあった。


「古の時代に関する書物は、全てこの部屋に収められている。古代魔獣や古代魔法に関する情報も豊富なはずだ」

「世話を書けたな、ジーク」

「私も一緒に調べたいのだが、あいにくと立て込んでいるんだ。またの機会としてほしい。ロジェ、君たちが読んだ本を後で教えてくれ」


 そう言うと、ジークは部屋から出て行った。

 国民への説明や、カイザラ-ド帝国との後処理が大変らしい。


「さて、さっそく調べるとするか」

「手分けして探した方が効率よさそうですね。私は右の棚を探します」

「じゃあ、俺は左側だな」


 左右に分かれて本を探す。

 室内は図書館の広さに比べると狭いものの、縦横10mはありそうな広さだった。

 収められている本は、最低でも二百冊はあるだろう。

 タイトルや目次などから古代魔獣、古代魔法が書かれていそうな本を探す。

 両手で持てないくらい集めてから、中央のテーブルに戻ってきた。

 ちょうどリリアントも同じタイミングでやってくる。

 彼女は俺の何倍もの本を重ねて持っていた。


「リ、リリアントは結構力持ちなんだね」

「いえ、魔法で軽くしてありますので。ロジェ師匠も魔法を使えばよかったのでは……?」

「たしかに」


 また魔法使いの自覚を忘れていた。

 ……これはいかんな。

 こういうところで老化が少しずつ始まっているような気がする。

 もっとしっかりせねば……と決意を固め、分厚い本を開いた。

 選んだ本は、“大錬金術師アキラとその時代”というタイトルだ。

 紙は茶色く汚れ本の表面も古くなっていることから、かなりの年代物だとわかる。

 リリアントも興味深そうに覗き込んでいた。


「これだけ古いと期待できますね」

「ああ、そうだな……おっ、ここに書いてある内容は重要そうじゃないか?」


 しばらくめくると、古の時代について記述されたページが現れた。

 内容を簡単にまとめると……


・古の時代、魔族の侵略により人類が滅びそうになったとき、異界から二人の人間が来訪した。

・来訪者たちは見たこともない魔道具を駆使し、魔族を撃退

・世の中に平和が戻ったのも束の間、来訪者の一人が獣に異変を施し、人を襲わせるようになった

・来訪者同士は平和を巡り、激しい戦闘を行う

・三日三晩魔道具の応酬が続き、大爆発の後戦闘は終息

・異変が生じた獣も消滅したものの、来訪者たちの死体は出てこなかった

・来訪者のうち、アキラという名前は残ったが、もう一人に関する情報は完全に消え去ってしまった


「「……」」


 本の内容は、古の時代における戦闘の様子を伝えていた。

 読む限り、異世界から来たとされる来訪者たちがキーマンのようだ。

 古代魔法で転送される魔道具はアキラが作ったのだろうか……それとも、もう一つの来訪者が……。

 古代魔獣は当時の個体が復活したとか……?


「ロジェ師匠、そろそろ王宮の方に戻りますか? 表彰式の時間が迫っています」

「……え? もう、そんな時間か。ちょっと集中し過ぎてしまったな」


 リリアントに言われ、現実に戻ってきた。

 時計を見るとだいぶ時間が進んでいる。

 丁重に断ったのだが、ジークから国を救った英雄として表彰したいと言われたのだ。


「また後で調査を続行しましょう」

「ああ、そうだな。まずは入念な下調べだ」


 古代魔獣や古代魔法に関する謎は深まるばかりだ。

 これからの旅で解き明かすことを決意し、そっと本を棚に戻した。

お忙しい中読んでいただき本当にありがとうございます


【読者の皆様へ、青空あかなからのお願いでございます】


少しでも面白いと思っていただけたら、ぜひ評価とブックマークをお願いします!

評価は下にある【☆☆☆☆☆】をタップするだけでできます。

★は最大で5つまで、10ポイントまで応援いただけます!

ブックマークもポチッと押せば超簡単にできます。


どうぞ応援よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ