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 傘の下で確かめあった愛・・・・。それは、美しい雨音をたてて二人の心の水溜りに降り注いだ。しかし、やがて日照りが来て・・・・・何もかもが干からびる。たんぽぽのぽん太に対する愛はいつまでも・・・夢見る少女の永遠を含んだまま・・・・みずみずしく、潤いを持ったままその姿を保っていた。たんぽぽと付き合い始め、高校受験まで・・・ぽん太は、何とか持った。引きこもっていた数ヶ月を乗越え、たんぽぽを愛することで・・・・たんぽぽに愛されることで・・・・野球を失い、何も持たない自分を愛という名の麻薬に浸していた。

 高校受験が終り・・・・高校生になってしばらくすると麻薬が切れる。中学時代の漠然とした社会認識感ではなく、少しずつ大人になり始めた高校生。そこで、ぽん太は、自分には何もないことを再び認識する。そして、そんな駄目な自分が飛びっきりのいい女に支えられている。。。。。ぽん太は、何もない自分を再び嘆き始める。ぽん太は、また自分のことでいっぱいいっぱいになる幼い十代の少年へと後戻りする。野球を辞めて二年が経った。ぽん太もたんぽぽも高校生・・・・一七歳になる少し前の二人。でも、大人になんてなりきれていない二人。何もかもが真剣で、何もかもが苦しい年頃・・・・。


 形容詞を失った元野球少年は、未だに夢見るものを見つけられずにいた。早すぎる時の流れの中、生きていく意味を見出せずにいる。全てに意味を求めたがる思春期の衝動。でも、そんな意味も何もない自分を、たんぽぽは愛し続ける。それが、男として屈辱だった。癒えきらないぽん太の心の古傷が開き、傷口から膿が流れ出す。ぽん太は、自分の劣等感に意識を支配され、終りがないような無意味な時間の洪水の中でもがいた。自分が無であるという苦しみを紛らわすために、ぽん太は心の傷口を泥で洗う。少しずつ鍛え上げた体の上に、薄っすらと脂肪がのりはじめていた。ぽん太は、その無意味な時間を殺しまくるように、暴れた。ぽん太は、煙草を吸い始め、あの名門野球部で高校に行って野球を挫折した同級生達と好き放題やるようになった。皆、形容詞を失った少年だった。小学、中学、高校、プロ・大学・社会人・・・・・・レベルが上がれば上がるほど野球を失う男の子は多くなっていく。野球を失った少年達は、本当に・・・・・何をしていいのかわからずにいた。ぽん太は、そんな似た者同士の仲間の中で居心地の良さを感じる。夢も希望もない元野球少年達とつるみ、笑い転げる日々が・・・・・たんぽぽと一緒にいるより楽になる。野球部の同級生だった男が、夏休みの土木バイトで買った原チャリ・・・・というかミニバイクであるHONDA製のモンキーを野球を失った少年同士で馬鹿みたいにはしゃぎながら、荒川の土手で乗り回しては笑い転げたりした。そして、昔、通った駄菓子屋に行けば、大枚はたいて、オバちゃんに最高級のカップラーメンにお湯を注がせたりした。昔は、三十円のカップ麺が、二百円まで跳ね上がる。気違いのように地元で遊びまわり、疲れたら夜の小学校の校庭で打ち上げ花火をあげながら、ビールの中では比較的飲みやすいアサヒ・スーパードライを飲み散らかした。百円ライターで打ち上げ花火に火を点けては、狂ったように雄たけびをあげる元野球少年達・・・・・。警察が駆けつけると、皆、一世に逃げ出し、夜の闇の中にバラバラに消えていく。先が見えないから・・・・・野球を失ったから・・・・何をすればいいのかもわからずに・・・・一瞬の快楽が全てになる・・・・形容詞を失った少年達の青春の末路。地元で悪さするのは、大概・・・・形容詞を失った、元運動部の少年達だった・・・・・。


 そんなぽん太を悲しい目で見続けるたんぽぽ。全ては、一人の男の子が純粋で無邪気な夢を失ったことで始った。たんぽぽは、平井大橋の下で、ぽん太の煙草臭い口に口づけする。光は、新小岩の繁華街からのネオンだけ。すぐ側を走る首都高の車のヘッドライトは、平井大橋の下まで届かない。橋の上を走る車の音が騒がしい。ぽん太もたんぽぽも別々の高校の制服を着ていた。橋の下、暗い闇の中で、たんぽぽはぽん太の顔をその柔らかな掌で撫でる。そして、真っ直ぐにぽん太の目を見つめた。

 「ねぇ、ぽん太・・・・・。」

 たんぽぽが、意を決したようにぽん太の目の奥を覗き込もうとする。ぽん太は、いつもその視線を避けようとする。

 「ねぇ、ぽん太・・・・。夢とか見てみない?どんな夢でもいいの。今よりもう少しだけ未来を生きるのが楽しくなるような・・・・、全然ありきたりな夢でいいの。それこそ、とびっきり可愛いたんぽぽみたいな女の子をお嫁さんにして、小さくても、普通でも、幸せな家庭を築くとか・・・そういうのでも・・。それは・・・わたしの夢だね、ごめんね。押しつけるつもりはないんだけど・・・・。どんなことでもいいの。夢なんて大袈裟なものじゃなくてもいい。小さな目標でも・・・・。例えば、次の中間テストで全部赤点脱出とか!!ね、ぽん太、私なんかと違って・・・・超有名進学校に通ってるじゃない。少し頑張れば、すぐに勉強できちゃうんだからさ。何でもいいの・・・・夢見よ・・・一緒に夢見よ・・・何をしていいのかわからないまま、苦しんでるぽん太を見るのは・・・・・苦しいよ・・・」

 たんぽぽは、ぽん太に絡ませた舌を自分の口の中に押し込み、ぽん太に夢を語る。もう一度、輝いていた頃のぽん太に戻って欲しい。その願いは、純粋だからこそせっぱがつまった願いだった。ぽん太は、自分の舌についたたんぽぽの唾液を飲み込みながら、疲れきった・・・・分かりきったような顔で言う。

 「夢なんて見ないよ。夢なんて見てる奴等が、最後に馬鹿を見るんだから」

 ぽん太は、たんぽぽにそう言った後、ポケットに手を突っ込んで、煙草を取り出し。そして、煙草を口に加え、火を点ける。さっきまでのキスの淡い青春の味は、煙草の味で掻き消される。

 「なんで、そう思うの?」

 「夢は叶わないからさ」

 「でも、叶うかもしれないじゃない」

 「いや、普通の人間・・・俺らみたいなのは、無理。それは身を持って体験してるから」

 「野球のこと?」

 「ああ・・・・そうかもな。見てみろよ、お前も知ってるあの超強豪校の一軍で試合してた俺らの同級生・・・・どれだけ、高校で野球やれてんだよ。ほとんど、潰れちまっただろ」

 「そうだけど・・・・でも・・・・夢は叶わないなんて言わないで・・・・叶えてみせてよ!」

 「叶ったところで、人間いつかみんな死ぬんだ。そして、夢を叶えたら、それを守ることで皆、びくびくして生きてる。夢なんて意味ないさ。最後には、人間は全てを失うんだから・・・無意味だよ」

 「そんなことないと思う。ぽん太が、言ってることは、少しズレてる気がする」

 「別に何だっていいよ。適当に話してるだけだからさ・・・・」

 ぽん太は、吸い込んだ煙草の煙を吐き出す。たんぽぽの顔は、その煙を避ける。たんぽぽは、荒川の対岸で輝く新小岩のネオンをその顔に受けるぽん太を見つめた。少し・・・・いや、かなり、怒っていた。唇が震えている。唇は、迷っていた・・・・・言うべきか・・・言わざるべきか・・・・・。

 「ぽん太は、もう一度夢を見るのが怖いんだよ・・・・。また、夢を見て、その夢に裏切られるのが・・・・怖いんだよ・・・・」

 たんぽぽは、震えながら・・・・怯えながら・・・・ぽん太の目を見て言った。ぽん太は、その言葉を無感情に聞き流しながら、吐き出した煙草の煙の行く先を見つめていた。

 「別れよっか?」とぽん太は言う。

 たんぽぽは、泣きそうな顔で、「嫌だ。嫌だもん・・・・。別れたくない。絶対別れない」と言って、ぽん太の手をギュッと握り締める。ぽん太が、どこにも行かないように、たんぽぽはその手を強く握り締める。


 いつものこと・・・・。何かあると、ぽん太はすぐにたんぽぽに別れを切り出す。押しつけがましい女の愛にうんざりする。でも、ぽん太に惚れきっているたんぽぽは、ぽん太の側を離れたがらない。どんなにぽん太が腐っても、思い出の中のぽん太は、いつだって優しくて、温かくて、輝いていた。目をつぶれば、そこに中学の入学式で無邪気に笑っていたぽん太がいる。その笑顔にドキっとしたあの切なくて甘い想いが胸に広がっていった気持ちを今でも思いだせる。忘れることなんてできない・・・・・。

 ぽん太と出会ってから、どれ程の時間を一緒に過ごしただろう・・・。ふざけあった日々、慰めあった日々、ちょっと嫌いになったり、好きになったりを繰り返した日々。そんな日々を一緒に思い出せる人は、この世界で唯一人、ぽん太だけなのに・・・・・。



 「あっ・・・ああ・・・・」

 たんぽぽの口から我慢していた吐息が零れ落ちる。たんぽぽは、ぽん太を自分に繋ぎとめておくために・・・・・抱かれる。ぽん太の性欲を満たすことで、自分の存在価値をぽん太の中に植えつける。抱かれていると悲しい気持ちでいっぱいになり、傷ついた心にその悲しみが痛いくらいに沁みた。ぽん太にとって、自分という存在は何なのだろうと・・・たんぽぽは、ふとした瞬間に考える。ぽん太に、求めて欲しいのは、体じゃなくて・・・・想い、そして一緒に描ける未来への夢なのに・・・・。

 たんぽぽは、乱れ髪が吸い込む汗の湿り気を感じながら、喘ぐ。避妊具なしの幼い少年少女達の綱渡りなセックス。たんぽぽの透き通るように美しい肌の上に、ぽん太が射精した白い精子が粘りつく。そして、出すものを出した後のぽん太はいつも以上に冷たくなる。この男のギャップを理解できない少女。

 「ぽん太、好きだよ・・・」

 たんぽぽは、安いラブホテルの休憩時間のかび臭いベットの上で、愛の言葉を囁く。そして、ぽん太からの愛の言葉を求めた。ぽん太は、たんぽぽの言葉をたぬき寝入りしてやり過ごす。ホテル代は、たんぽぽが払う。ぽん太の財布には、小銭しか入っていない。

 「ぽん太、大好きだよ・・・」

 たんぽぽは、何度も愛を確認しようとする。

 「ああ」

 ぽん太は、寝言のようにそれだけを口にした。意味のない人生の意味のない二文字。でも、たんぽぽは、そのぽん太の寝言に意味を求める。たんぽぽは、切なくて、苦しくて、悲しくて、ぽん太の右肘を抱きしめた。右肘に柔らかいたんぽぽの乳房の感触が広がる。乳房を伝って、たんぽぽの心臓の鼓動が右肘に響いた。

 この肘が・・・・・ガラスのように粉々に砕けさえしなければ・・・・と、そんなことを思う日々をどれ程、重ねてきただろう。ぽん太の全盛期は、あまりに早く訪れすぎた。そして、全盛期を越えた人生に、少年は何を思えばいいのだろう・・・・・。未来に何を思えばいいのだろう・・・。そんなことに、あれこれ思いを巡らせるたんぽぽ。でも・・・・一番、苦しんでいるのはぽん太なんだ・・・・と、たんぽぽは自分に言い聞かせる。


 ラブホテルからの帰り、ぽん太はパチンコ屋に入って、スロットを回す。・・・それも、たんぽぽの金で。

 たんぽぽは、高校に入ってから部活には入らず、ファーストフードでアルバイトを始めた。別に裕福な家庭に育った訳じゃないから、自分のお小遣いくらい自分で稼ぐ。バイト先には、学歴のある大学生や、少ない給料ながらも自立している社員がいたが、たんぽぽはそんな男達には全く興味はなかった。愛しているのは、ぽん太だけ・・・・・。

スロットが回っていく。少ない時給で稼いだお金は、寂しさを生み出すばかりだった・・・・。


 「スマイル下さい」

 冷やかしの客に、たんぽぽはにっこりと笑う。これもお仕事よ・・・・と、まるで銀座のトップホステスのようにたんぽぽは、笑顔を振りまいた。たんぽぽの美貌は、小さなファーストフード店では完全に浮いていた。モデル事務所から派遣されてきた客寄せバイトかと勘違いする客もいた。そんな冷やかし客が後をたたない。

 「ハッピーセットに・・・・お姉さんをおまけでつけて・・・」

 レイバンのサングラスの奥からいやらしい目線でたんぽぽを見つめる、パッと見、成金オヤジ。たんぽぽは、笑顔を忘れずに言い返す。

 「ハッピーセットですね。おまけは、この中からお選びください。お姉さんは、ついてきませんけど、色々と楽しいおまけがありますよ♥」

 ナンパを笑顔でかわすたんぽぽの美しさに魅入られる成金オヤジ。たんぽぽが、おまけについてこないことで、悔しがる。黒のVネックのTシャツが汗ばむ。

 「十万円のハッピーセットでも買うぜ、俺は」

 「残念ながら、十万円のハッピーセットは、こちらではお取り扱いしておりません。それに、女性の愛は十万円じゃ買えませんよ、お客様」

 しくじりを繰り返す成金オヤジは、ずり落ちたレイバンのサングラスを掛けなおし、たんぽぽに差し出されたお持ち帰りようのハッピーセットを受け取った。

 「ありがとうございましたー」とたんぽぽの声が店内に響く。

 国道14号線、錦糸町駅近辺に路上駐車したマセラッティの中で、ハッピーセットを食べる成金オヤジの哀愁・・・・。社会的名誉と金を手に入れた勝者であるオヤジ達ん想像力は、たんぽぽが惚れてる男が、敗者の小僧だなんて知る由もない。


 ぽん太は、意味もなくスロットを回し続ける。たんぽぽは、その当たらない台の隣り、誰も座らない椅子に腰をかけながら、ぽん太が煙草をくわえながら見つめる勝利なきギャンブルを見つめていた。ぽん太は、負け続け、たんぽぽは、金を払い続ける。

 「ちっ・・・・・、負け癖がついたな、俺の人生も。お先、真っ暗じゃん」

 そのぽん太の呟きを聞いて、たんぽぽは必死になって首を横に振る。

 「そんなことないよ・・・・ぽん太。こんなくだらないギャンブルであなたのような人間の価値を測らないで。こんなことに意味なんてないもん。しかも、負けるように設定されてるんだし・・・・・。わたしは、ぽん太が本気になった時の輝きを知っているから・・・・そんなこと言わないで」

 たんぽぽは、いずれ彼がこのくだらない運任せのギャンブルを辞めるときが来ることを信じて、金を払い続けた。でも、ぽん太に辞める気配はない・・・・・。


 たんぽぽは、どれだけ傷ついて、どれだけ苦しんで、どれだけ金をかければ、ぽん太が復活してくれるのか・・・・悩み続けた。無数の男達からたんぽぽに対する求愛の告白は耐えない。たんぽぽは、それを断り続ける。ぽん太以外の誰かを愛する気はない・・・・・そんな十代の少女の愛。


 ぽん太が、どこかで失くしてしまったたぬきのアップリケに、たんぽぽは何度も想いを馳せる。たんぽぽは、家に帰ると、一人、部屋のベットに腰かけ、AMでオールナイトニッポンを聞きながら、何を思うともなく裁縫箱をあけては、縫い物をする。縫い物をしながら考え事をするのが、たんぽぽの癖だった。

 「ぽん太の、小さい頃を知らないけど、知らなくてもわかる・・・・。優しくて、素直で、無邪気な男の子だったってことが・・・・」

 たんぽぽは、針に糸を通す。そして、小さな小物入れを縫う。

 「ねぇ・・・たぬきのぽん太・・・・」

 たんぽぽは、愛する人がどこかで失くしたたぬきのアップリケに語りかける。

 「大好きだったものを失った男の子が辿る運命は苦しいものね・・・・。今でも、彼はあなたの名前をあだ名にして呼ばれているのよ・・・・。でも、名前の由来であるあなたは、今、何処で、何をしているの・・・・?ゴミになって捨てられたとか・・・・・そんな悲しいことだけは、言わないでね・・・。想像したくもないことを想像することほど、残酷で悲しいことはないから・・・・・」


 ラジカセのスピーカーからオールナイトニッポンのパーソナリティが大声で笑う声が聞こえる。たんぽぽは、部屋で静かに泣いていた。



 乃木坂トンネルで、どこにも行けずに過去ばかりを夢の中で思い出すぽん太。それでも、夢の中のトンネルで見た過去の景色は、現実に鼓動するぽん太の心を絞めつけた。その苦しみに耐えかねて、ぽん太は目を覚ました。ぽん太は、どこにも行けずにいる自分を再確認する。

 股間が濡れていることに気づく。ぽん太は、激しく自己嫌悪に犯される。そして、ズボンをずり下げ、夢精したボクサーショーツを脱ぎ、トンネルの中で捨てた。ぽん太は、ノーパンジーンズで、目に涙を溜めながら歩き出した。後悔と罪・・・・それが、両目から零れ落ちそうになる・・・・。

 「本当に、ごめんな・・・・」

 ぽん太は、トンネル内で小さく呟いた。眠った後、未来と過去の方角を見失ったぽん太は、乃木坂トンネルを未来だと思う方角に向かって歩いていった。歩き出さなければならない気がした。十字架を背負って、死刑台に行かなければ・・・・罪は、償えない・・・・。いじけ果てた末に、一人の少女を傷つけ続けた罪・・・・・。



『Monkey to the Moon 』


 ぽん太は、だらだらと止まない夕立のような汗をかきながら、乃木坂トンネルを未来だと思う方向に向けて歩き続けた。汗とともに、ぽん太の存在で不要な部分が体外へ排出されているようで、ぽん太の体も精神も痩せ細っていった。時間の動きも、季節の移り変わりもないトンネルの中で、ぽん太だけが変化の連鎖に縛り上げられていた。真っ直ぐ、真っ直ぐ、前を目指して歩く。時おり、強い目眩がぽん太の脳のど真ん中を震源として体中を揺する。寒気がして、顎が震え、歯がガチガチと音を鳴らす。肉体の限界を超える度に、ぽん太は、卒倒して倒れこむ。骨と皮と必要最低限の肉を残して、ぽん太は、生きていた。ぶかぶかになったジーンズのウェストを、両手で引っ張りあげながらぽん太は、歩いていく。歩けば、歩くほど、ノーパンの股間にジーンズの硬い生地が擦れた。痛いけど、この痛みには意味があるとぽん太は、自分に言い聞かせた。股間に思い当たる節がある。

 「意味がある痛みなだけ、まだマシさ・・・・。この世には意味のない痛みが溢れているんだから・・・。意味なきことに苦しんでいる時の自分程、惨めなものはない。でも、この股間を襲う痛みは意味がある」

 たんぽぽが、ベットの上で流した涙をぽん太は思い出す。朦朧として、ふらつきながら、ぽん太は、擦れて皮が向けていく股間の痛みと向き合う。


 ぽん太は、生と死の境目まで歩いてきた。二十四時間という単位にトンネル内の圧倒的な時間量を押し込むのなら、もう一ヶ月近く、飲まず食わずで歩いてきただろう。生ける屍・・・・ぽん太の肉体も精神もそのレベルまで追い込まれていた。いつ死んでもおかしくない極限状態の存在。

 「ねぇ・・・・トロ・・・・。本当に、この道を歩いていけば、月に辿り着くのかい?」

 ぽん太は、苦しみの果てにこのトンネルに行くように命じたトロに疑問を投げかけた。でも、トロは、ここにはいない。その疑問は、結局は、自分に向かって投げられているような形になる。ぽん太は、その疑問には答えられない。人間が、一人、月面に辿り着くのに必要とする時間と道のりに、ぽん太は疲れ果て、倒れこむ。ふくらはぎの筋肉は、もう裂けているだろう。太ももの裏には、脱力感が搾り出された汁のように溜まる。足の付け根は、はじけ飛んだ筋肉繊維の残骸が老廃物のようにして溜まっていた。アスファルトにうつ伏せに倒れこみ、喘ぐぽん太。荒い呼吸は、コンクリートで跳ね返ってきて、臭う。息だけじゃなく、体も獣なみに臭った。口内炎が、口の中に無数にでき、痛沁みる。肛門からは、腐りゆく内臓の臭いが溢れて出してくる。尻の穴から、内臓という内臓を引っ張り出し、野良犬にでも食わせてやりたい・・・・・それくらい、ぽん太に肉体は、悪臭を放っていた。意味なき人生が発酵し始めていた。鈍っていくばかりの感覚の中で、嗅覚だけは異常に働いた。ぽん太は、自分の臭さに気絶した。


 ぽん太は、いつまで経っても同じ風景の中にいる。一枚の絵画から抜け出せない感覚が、首の皮一枚に描き出される。芸術評論家は、この光景を喜んで、「ブラボー」と叫ぶだろう。評価されるのは、敗者の苦しみ、嘆き、そして絶望。醜いものを芸術と呼びたがる奴等が現実には溢れている。芸術と称された絵画の中の敗者は、ただただ悲しみ続ける・・・・・醜い姿で。

ぽん太は、少しして途絶えた意識を取り戻した。ゲップを一つ、口から零した。ぽん太は、トンネルの壁の側まで這っていき、壁にしがみつきながら起き上がった。

 「行かなきゃ・・・・」

 背負っている十字架が重たい。罪悪感が、ぽん太を再び歩かせる。


 「敗者復活戦・・・・そんなものがあるのならすがりたい。そして、復活した自分のことを・・・・風の噂が、あの人のもとへと届けてくれるのなら・・・・この道を歩いていく意味はある。喜んで、十字架を背負い、死刑台に向かってやる。ただ、死ぬ前に一瞬でいい・・・・・風の噂になるほど、輝かなければいけない・・・・」

 ぽん太は、壁を支えにして、壊れたおもちゃのように歩き続ける。ぜんまい仕掛けは、息を切らせて力なく止まりそうになるが、ぽん太は壊れかけの根性でぜんまいを巻き続けた。

ぎこちなく前に進む。もう何日歩いただろう・・・・、いや、何ヶ月歩いただろう・・・・。それとも、もう何年になってしまっただろうか・・・・。まさか、二十年以上は経ってないだろう・・・・・と思うが、わからない。

 「一体、どれくらいの時が失われたのだろうか・・・・・?」

 ぽん太は、渇ききった舌を力なく口から垂らしながら言った。

 「一体、どれくらいの時が失われたのだろうか・・・・・?」

 口が発した言葉を、耳が聞く。ぽん太は、うんざりして首を横に振った。わからない・・・・それが答えだった。ぽん太は、トンネルの終わりを見つめようとする。でも、何も変わらない。変わっていくのは、ぽん太の肉体と精神状態ばかり・・・・・ぽん太の体の中で、体液が枯れ始める。血液は、蒸発を繰り返し、体温を失いはじめたぽん太は、おぞましいほどの寒気を感じる。汗が蒸発した後の皮膚には塩の結晶が吹き上がっている。視界がぼやけてくる。目が霞み、鼓膜の周りに膜が張る感覚が、画鋲のようなもので耳に押しピンされている。それでも、ぽん太は歩き続けた。その姿は、彷徨える怨念が死体にのりうつり、現世でなしえなかった何かを追い求め、成仏したいとうめいているようでもあった。

 「諦めろ・・・・」

 誰かの声が聞こえる。

 「もう駄目だろう・・・・」

 その声は、鼓膜には響かない。心に響いている。

 「ここが限界だよ・・・・」

 「無理なものは、無理なんだ・・・」

 「痛いだろう・・・苦しいだろう・・・・諦めれば、全てが楽になる」

 心に響く声は、朦朧とするぽん太に語り続ける。

 衰弱したぽん太は、その言葉に従って立ち止まろうとする。しかし、その言葉に罵声を浴びせる声が鼓膜に届く。心に響いていた声が、鼓膜から伝わてきた怒鳴り声に掻き消された。

 「その声に従って、全てを失った時のことを覚えていないのかい?」

 ぽん太は、目の前のふらつく視界の蜃気楼の向こうにトロの幻影を見た。トンネルの真ん中で、チャトラ猫がぽん太を見つめている。トロは、一枚の色紙をくわえていた。歯でその色紙をくわえながら、口の端で限界に直面するぽん太を怒鳴りつける。

 「楽になりたい・・・・・。でも、自らの限界から逃げた一瞬の解放感の後にくる、果てのない自己嫌悪を忘れてしまったのかい?」

 ぽん太は、痛みに張り裂けてしまった自分の足が止まりゆくのを感じる。

 「もう一歩前へ・・・・。限界だと思う瞬間からもう一歩前に足を踏み出すんだ」

 消えかけている意識の中、微かにトロの怒鳴り声が聞こえてくる。

 「限界付近で諦めてもいい。でも、限界を一歩超えたところで、前のめりに倒れて、気を失うんだ。その一歩が、次へと繋がるから・・・・。諦め方が大事なんだ・・・」

 トロは、自分に負けそうなぽん太に声援を送る。ぽん太の心の中で、うろちょろする鼠のような弱さを、トロは食い尽くす。ぽん太は、気絶を超えた生と死の境目で倒れこもうとする。体の中に体力なんて一滴も残っていない。

 「誰もが、俺はよくやったさ・・・って思うもんなんだ。でもね、よくやったさって自分を誉めたり、慰めたりする余力があるのなら、その力を限界を超えた最後の一歩のために使った方がいい。そして、生と死の境目を乗り越えるんだ。そこで待っているのは、先に繋がる小さな希望・・・・・」

 ぽん太は、歪む視界の先にいるトロに向かって足を踏み出した。痛みや苦しみに苛められ、もう歩けないと思ったところから・・・・・もう一歩。トロの言葉に素直に従った訳じゃない。トロの語った言葉に心あたりがあったから・・・・自分には、もう一歩が必要なんだと切れかけた意識の中で自分自身に言い聞かせた。体力の最後の一滴を搾り出し、ぽん太は一歩前の地面に足をつけた。そこが、限界から一歩進んだところだった。そして、ぽん太は前のめりに倒れこみ、月の方角に向けて意識を失った。ぽん太は、アスファルトに激しく体を打ちつけ、動かなくなった。もう痛みも苦しみも感じなかった。



 どれくらい生と死の狭間を彷徨っただろう。脳死寸前・・・・心臓停止寸前・・・・・虫の息・・・・生命を失ってもおかしくはなかった。でも、限界を一歩だけ超えた気力が、静かに蝉の幼虫のように・・・・ぽん太の心の中で、羽化し、大きくなっていった。命の鼓動は、消えてなかった。土の中で、その生命を育む蝉と同じように、ぽん太は全てを失った泥沼の中で、その生命を育んだ。

 ぽん太は、目覚めた。幼虫が成虫になるように・・・・・。目覚めた時、そこにトロの幻影はいなかった。そこには、あの厄介で抜けきれない景色が相変わらずあって、状況に何も変わりはなかった・・・・。それでも、ぽん太の体に少しの変化があらわれていた。体の細部に微かな力を感じた。そして、心に少し張りがある。裂け続け、ぶっちぎれ続けた体中の筋肉繊維が、再びつなぎあい、盛り上がった筋肉として体に肉づいていた。ぽん太は、限界点からほんの数センチ前に、自分が倒れていることに気づく。ぽん太は、微かに笑った・・・・・。初めて、自分をぶちのめしてやった気分になる。小さな小さな自信が少しだけ、募りに募ってきた自己嫌悪を飲み込んだ。それでも、ぽん太はまだ起き上がれずにいた。這いつくばったまま、筋肉痛の余韻に肉体を支配されている。それでも、痛みは、今までの痛さに比べれば楽だった。痛いというよりも少し痛気持ちいいというMな感覚。ささいな達成感が痛みの意味を変えていく。人間、いけるとこまでいけばMになるしかない。痛気持ちいい感じがわかれば、立派な二十代なのかもしれない。

 ぽん太は、トンネルの先を見つめた。先を、冷静に見つめる余裕がある。相変わらず終りの見えないトンネルが地平線よりも向こうまで延びている。

 「うん?」

 ぽん太は、思わず声を出した。トロの幻影が、ぽん太を見つめていたであろう場所に一枚の色紙が落ちている。一体、何の色紙だろう?純粋な疑問と素直な好奇心がぽん太の心に湧く。新鮮な感じだった・・・・心の中にシンプルな感情が湧きがっていく感覚が・・・・・。

ぽん太は、自分が倒れこんでいる場所から約五メートル程先にあるその色紙の場所まで、ムカデのように這って行った。

 その色紙は、引越しの際・・・・どこかで失くしてしまった色紙だった。ボロボロになって、埃をかぶっているその色紙を手にした時・・・・・ぽん太の心に忘れられない過去が蘇った。どんなに忘れようと思っても忘れられない。そこには、ぽん太が一番野球が好きだった時のチームメイトとコーチの集合写真が貼られていて、チーム解散に伴うコーチからのメッセージが書き添えられていた。小学生だったぽん太とチームメイト。皆、無邪気に、ちょっと生意気そうに笑っている。



 「ぽん太へ 『もう駄目だ、限界だ、そう思った所が始まりです』、自分が苦しくって、もうだめだと思った所が、実は次の段階の始まりです。苦しい時こそ頑張る。負けん気の強さはチーム一なんだから。まず自分に勝つことを考えて下さい。

この先、どんなスポーツをやるにしても、自分に勝てない人は、いくら優れた素質を持っていても伸びません。自分に勝ってこそ本当の勝負に参加できるんです。

コーチとしては是非野球を続けてもらいたいのですが、まぁ自分の進む道は自分で決めるものですから、何をしようが何もいえませんが、一つだけ。後悔だけはしない様に。楽して手に入れたものは簡単に離れていきます。苦労して手に入れたものの貴重さを知って下さい。松井」


 終わりの見えないトンネルの中、立ち上がることもできずに手にしたその色紙・・・・書かれた言葉を一つ一つ読みながら、ぽん太は、泣いた。大好きだった、煙草ぷかぷか、女はべらせて原チャリのニケツでグランドにやってきては、いつだって・・・・お前のやりたいようにやれ、自由にやればいいんだと語り続けてくれたコーチの言葉が、次から次へと心に蘇る。馬鹿なフリして、本当は、頭がよくて、誰よりも人生に正直だった・・・・・ヤンキーコーチ。小学生の頃は、何を書いているのかよくわからなかった。でも、二十歳になって、抜けられないトンネルの中でもがいて・・・・・今、あの頃、書き残してくれた言葉が苦しいくらいに胸に広がる。野球を辞める前に・・・・・肘を壊して腐るもっともっと前に・・・・自分に負けるなと言ってくれてた人がいたなんて・・・・・。あの頃、気づきもしなかった。もう何もかもが手遅れだけど・・・・また、立ち上がることはできる。そう、ぽん太は自分に言い聞かせた。そして、ぽん太は、うめき声をあげながら、這いつくばった体を持ち上げ、トンネルの中で二本の足で立ち上がった。歯がかけてしまいそうなほどに、歯を食いしばる。自分が、一番野球が好きだった頃に、この言葉を残してくれていた人がいたことが、ぽん太の心の中で勇気に変わる。野球を辞めてから、思い出すのを恐れていた・・・・奇跡のように楽しかったあの時間。ぽん太は、色紙を手にしたまま、トンネルを走り出した。

 「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」

 愚かだった自分を叫び殺すように叫んだ。トンネル内は、ライオンの雄たけびのような絶叫が響き渡り、空間を振るわせた。誰にも支えられていないと思っていた。でも、それは、違った。色んな人が、この情けなく愚かな少年を支えてくれていた。そんなことに、今更気づく。走るといっても、歩くよりは少し速いくらいの速度。足をひきずりながら、ぽん太は歯を食いしばり前に進んだ。



 『限界を一歩超えたところで見つけるもの・・・・。それは、あなたの本当の力。さあ、月への出国審査を通り抜けてください     月への出国審査管理組合』


 初めて、景色に変化が出た。ぽん太は、歯を食いしばりながら、二十キロ近く走った。そこには、トンネルの壁に看板が掛かっていた。その看板には、補足書きがしてある。

 『もしやこんな何もないところが月への出国審査?とお笑いになるかもしれませんが、何もないところが結構重要なポイントであることは多いですよ。皆、見過ごしてしまいますが・・・・・・』

 ぽん太は、トンネルの壁にかけられた看板を読んだ後、トンネルの先を見つめた。五キロ先ぐらいに、何かがある。ぽん太は、そこに向かって走っていった。看板を越えると、トンネルの壁は落書きで溢れ始めた。そこには、地球上に存在した偉人達の格言やら名言やらが落書きとして所狭しと書き殴られていた。ぽん太は、その中を五キロ先にある何かを目指して走った。落書きの一つにぽん太は、目をやった。その言葉が、汗だくなって走るぽん太の心にじんわりと響いた・


 『悠々として急げ』


 父親が、鮨食いながら、日本酒で酔っ払うとよく自分に言い聞かせるべく言っていた言葉だった。釣好きで肥満気味の日本の作家が言った言葉らしかった・・・・・。ぽん太は、走りながら少し胸を張った。そうすると少し悠々とした気分になった。


 五キロ先、息を切らしながら辿り着いたそこには、昔、滅茶苦茶やっていた頃、乗り回したミニバイク、HONDA社製のモンキーがあった。ぽん太は、トンネルの壁を見た。

 「出国審査完了。搭乗ゲート『MONKEY』」と書かれていた。

 ぽん太は、笑った。

 「おいおい、これで月に行けってのかよ・・・・・。スペースシャトルじゃなくて、モンキーで」

 そう笑いながらも、ぽん太は、モンキーの小さなボディを懐かしそうに撫でた。

 「なんだか、このトンネルを通ってると、景色は変わらない癖にいろんな思い出が見えてくるよ。不思議なもんだ・・・・」

 ぽん太は、書類もパスポートも持ち合わせないまま出国審査を終え、スペースシャトルに跨った。死ぬ寸前まで歩いて、歯を食いしばりながら走ってここまでやってきた。人力でなんとかここまで辿りつき、目の前に49CCのエンジンを持ったマシンがある。そのミニバイクの小さなボディが何よりも頼もしく思える。スペースシャトルなんてなくても月に行けそうな現実がぽん太の前にあった。

 ぽん太は、モンキーに跨って、ノーヘルのままエンジンをかけた。ぶるんぶるん言っている。

「お前を、ここまで頼もしいと思ったことは、今まで一度もなかったわ。悪いな。あの頃は、ただの馬鹿騒ぎの道具でしかなかったからよ。でも、また、お前に会えて俺は、やばいくらいに嬉しい」

 看板の下に誰かが書いたお芝居のような落書きがあった。ぽん太は、それを読んだ。

 「この先に何があると思う?」

 「何かあると思います」

 「君は、その何かを信じることができるかな?もしかしたら、どれだけ前に進んでも何もないかもしれない。月への入国ゲートなんて存在しないかもしれない。それでも、君は、その何かを信じて、果てを目指して、前へ進むことができるかな?」

 ぽん太は、その落書きを読み終えた後、ギアを一速に入れてアクセルを全開に回した。モンキーが勢いよく走り出す。ぽん太は、その落書きの最後の台詞を口にして復唱してみた。

「進化なくして・・・・成長なくして・・・・月へは辿り着けない。必要とあらば、このトンネルの向こうに何かがあると信じれるまでの・・・・強い男になってやる。例え、それが夢物語だと誰に馬鹿にされようともね・・・・」


 モンキーは、小さくとも優雅な風貌をそのボディに漂わせながら、悠々と49CCのエンジンフル回転で走っていった。



 ぽん太は、色紙をズボンの中に突っ込んだまま、アクセルを回し続ける。一速・二速・三速・四速・・・・ぽん太は、ギアをあげていく。出国審査場だと思われたところは、あっという間に過去に消えた。風景は、何一つ変わらない。とにかく、ぽん太はアクセル全開で突き進んでいく。


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