1・断崖の乙女
一迅社アイリスIF大賞用に、6/9まで10万字弱を一気投稿いたします。
【本日の予定】
序章は5分置き、1章からは30~60分置きで10話ほど公開
(次話投稿時間は後書きに記載します)
よろしくお願いします。
清々しい朝の陽気が青い海と、遠くに見える白い砂浜に降り注ぐ。
四月の空はどこまでも澄み渡っていた。
入り江から突き出た 鷲鼻岬 には、白い丈長の貫頭衣を着た娘が立っている。肩には使い古して端がすり切れた紺の 一枚布 、腰には 細い皮紐 。痩せた娘だが、波打つ青銀色の髪は眼前に広がる海のように 放埒 で豊かだった。
彼女の足下は断崖だ。太い杭と荒縄が一本、海面まで垂れている。
ヒマティオンをスルリと地面に落とし、彼女は脱いだサンダルを乗せると海を抱くように両手を広げた。
深い呼吸を繰り返す。
閉ざされるアクアマリンの瞳。
そうして、彼女は前へと倒れ込む。
数秒後には大きな 水音 と飛沫があがるも、広大な海の前では小さな悲鳴に過ぎなかった。
読んでくださってありがとうございます。
【本日、後9話公開 → 次話 17:40 予定】
この先は1話1000字~3000字で構成しております。
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