出会い①
どうも、ベニテングタケです。
「あー、だりぃ」
上司にはキレられ、部下には仕事を押し付けられ……今日も帰るのが遅くなった。
「あの会社、ホンマに辞めたろかな?」
辞めたら……あー、なんもねぇわ。
「運動も出来ねぇしそんなに頭もキレてはねぇしな……」
そうだ……俺の子供ん頃の夢って何だっけな……
「……やべぇ、子供ん頃の夢が思い出せねぇ、もう認知症か?」
……あ、思い出したわ。
「確か……ダンジョン探索者だっけな……」
ダンジョン探索者ってのは、俺が生まれた時からずっと人気な職業だ。
確か、40年前に急にダンジョンが現れて……モンスターってのが現れて……で、魔法みたいなもんを使って退治して、その時に出た素材がとんでもなく良くて、すげぇ高値で売れたんだっけな……そっから人気な職業になったんだよな。
「歴史が苦手だったからあんま覚えてねぇな」
ダンジョン探索者は大物を倒したら大金を得られて……ある一定のとこまで活躍したら国の探索者になれんだよな。そこまで行ったら人生楽勝ルートと……
ま、そこまで行くのに大体のやつが死ぬんだけどな。
「……はぁ……」
大体、すげぇ探索者は強い魔法とかスキルを使ってる……でも、俺はなんも能力なし……と。
「だから俺は夢を追うのはやめて今の仕事……と」
はは、クソ見てぇな人生だな。
「なんでもいいから……スキルとか、得てみてぇよな」
……そんなこと有り得ねぇか、そもそもスキルは生まれた時点で決まるって言われてるしな。
「はぁ……」
あれ……なんか落ちてねぇか?
「なんだあれ……」
赤い……カプセルか?
ガチャでもして、カプセルを捨てたのか……?
「……拾って捨てとくか」
にしても、夜なせいでもあるが、道のど真ん中に落ちていて、誰も拾わねぇんだな。
「よいしょっと……あれ、このカプセル、開かれてねぇな、中になにか入ってる……」
……落としたやつが悪いよ……な?よし、開けてみるか。
「カプセルとか開けるの、何年ぶりだ?」
子供の頃からか?
「……ウググ……固ってぇ……全然ビクともしねぇじゃねぇか」
だから捨てたのかよ……
「ええい!捨てるのも勿体ないし、絶対開けるぞ!」
うおりゃぁぁぁぁぁぁ!
パカッ
「あ、開いた!」
ふぅ……ふぅ……何とかできたな……よし、中身は……
赤いカプセルの中には……なんだこれ、石と……紙が入っている……?
「なんだよ、これだけしてただの石と紙だけかよ!」
あー、だりだり、なんでこんなんに時間使ったんだよ、俺は。
「……ん、紙になんか書いてる……?」
……はぁ……これでなんかバカにしたような物書いてあったらホントにぶん投げて捨ててやる。
ペラ……
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やぁ、よくこのカプセルを開けたね。
このカプセルは無能力者にしか開けられないから、君は無能力者かな?
……まぁ、これ以上行ったらバカにしてるように思われちゃうし、この紙と別に入ってた石のことについて説明するよ。
この石は、スキル取得石だよ……しかも、レアリティはレジェンダリー、ダンジョンで手に入る武器とか遺物よりも高いレアリティだよ、やったね?
単刀直入にこのスキル取得石の説明をすると、食べるとスキルを取得する……これだけだよ。
手に入れる能力は完全ランダム!運を天に任せて食べてね!
大丈夫、これから手に入れる能力は全部良いのばっかりだから、安心してね?
じゃ、良いダンジョンライフを〜!
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「んだよ……これ」
この石を食べたらスキルを取得?……あー、うさんくせぇな、おい。
「……」
食べるだけで……か。
「試そうかな……?いや、でも石だぞ?」
……食べて見ても……いいか。
「そもそもでこんなクソ見てぇな人生、なんもしねぇで終えるのは違ぇだろ」
よし、食うか!
石をカプセルから取り出す。
「以外と……デケェな」
大体5cmくらいか。
「……いただきます!」
パク
「……」
このまま……飲み込む!
ゴクッ
「……!?」
体が……急に暑く!
「ア……ガァ!」
バタッ
1時にまた出します。