なつかしいきおく
どうも、ベニテングダケです。
『ニュースです!……ただ今、南極大陸でスタンピードが発生しました。このスタンピードの規模は、予想されていた五倍……五倍!?……すみません、取り乱しました。えー、五倍と予想されています。あっ、これから、首相の会見が始まります……』
画面が切り替わった。
『…………これから、南極大陸での、世界壊滅級スタンピード……我々人類と、魔物の最終決戦が始まりました』
『アメリカ軍によると、このスタンピードの戦力予想なのですが、下等種がおおよそ120万、上位種が80万、最上位種が……8匹と予想されています』
『私達日本は~~~~』
画面が切り替わった。
「うっへぇ……多すぎだろ、きっもぉ……」
「そんなこと言わないで欲しいねぇ……気が滅入るよ」
「まぁ、俺もキメェと思ったし、別に良いんじゃないか?……俺はコイツらをボッコボコに出来るって思うと、逆にやる気が出てくるぜぇ!」
「ハイハイ、脳筋は黙ってなよ……はぁ、ほんとに気が入らないけど、やろうか」
「「おう!」」
「それじゃ、行くよっ!」
三人が駆け出した。
「……すぅ…………未来視!」
……その眼に、何が見えた?
「……!……これは……やっべぇな」
「最上位種に消し飛ばされ……裏切られ……ボロボロの状態で……体を食われて……!」
「!!!……ははっ……なんだよコレ……怪物と怪物が戦ってて……片方が殺されて、それで終わってやがる…… 」
「……それでも、やるしかねぇ。これをいい感じに伝えなければ……!」
画面が切り替わった。
しかし……
画面が切り替わった。
それでも……
画面が切り替わった。
一人の青年が恐ろしい怪物達と対峙している。
青年の身体は、酷くボロボロだ。至る所から血が出ている。右腕は何処かに置いてきたようだ。
青年が吠えた。しかし、その行為に意味はなかった。
怪物達が吠えた。その行為には意味があった。
青年はもうどこかに逃げてしまったのかもしれない。
画面が切り替わった。
一人の女性と、複数人の男がいる。
どうやら、揉めているようだ。
一人の男が、女性の腕を鮮やかに切った。
もう一人の男が、女性の足を見事に切った。
もう一人の男が、高台から女性を美しく蹴り落とした。
高台の下には……新しい仲間を迎えようとする魔物たちがいた。
きっと、彼女なら仲良く魔物たちとやって行けるだろう。ほら、あの男達も涙を流しながら、笑っている。
画面が切り替わった。
男が、とてもおおきなかいぶつと対峙している。
男は、泣いている。かいぶつは、わらっていた。
男の体が光り出した。かいぶつは、まだわらっている。
………………怪物は、ボロボロだ。かいぶつは、ちからをためている。
怪物も、力を貯めている。
怪物と、かいぶつは同じタイミングで、はしりだした。
あたりいちめん、ひかりにつつまれた。
あにめみたいだね。どっちがかつんだろうね?
がめんがきりかわった。
いたるところに、まものがいる。
まものしかいない。
やったね。
画面が切り替わった。
遺物があと一つ足りなかった!仲間の評価が足りなかった!アメリカとの協力関係が築けなかった!力が足りなかった!チームの評価が足りなかった!異教徒の排除が出来なかった!遺物が足りなかった!足りなかった!足りなかった!足りなかった!足りなかった!たりなかった!たたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたた
遺物をあと一つ集めろ。力を高めろ。力を示せ。そうすれば何とかなる。あと少しだ!
こんてにゅー?
ははっ、こんかいも、たのしもうね!