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連邦特殊治安部隊こと「112」

 雲を貫く程の超高層ビルが立ち並び、ビルの間を高速航空挺という車の様な車体に4基のジェットエンジンが搭載されている、が幾つも飛び交い。そのさらに上空にはドローン輸送機というオスプレイサイズの無人輸送機が3機の編隊を組んで飛行していた。ドローン輸送機の胴には連邦特別治安部隊の紋章である一輪のバラが描かれていた。




 編隊中央を飛ぶ輸送機の機内には24人の兵士が座席に座り待機していた。彼らはイオン弾を使用するアサルトライフルとハンドガンを装備し、頭を覆うヘルメット着用し、ヘルメットの顔面部分にモニターのピクセルのように直径3㎝程の幾つもの菱形ピクセルが張り巡らされておりそこが機内の僅かな光源を反射している。胴体から脚にかけては火星植民地でとれた新素材で作られた布型の防弾チョッキこと「フィリハンチョッキ」黒を基調とした迷彩服を着ており、布型のおかげで全身を銃撃からカバーできる。フィリハンチョッキの上には運動能力・持久力を底上げし、アシストしてくれる小型化されたエレクトロニックパワードスーツを装着しその上には黒光りするロングコートを着ていた。




 それらを着用、装備した者どもは世間という表では「連邦特別治安部隊」と呼ばれ、裏ではコード「112」と呼ばれていた。彼らこそがあらゆる部隊から集められ治安維持任務を主とする連邦最精鋭部隊だ。彼らは任務が始まる暫くの間にヘルメットの機能の一つである「交互通信システム」で会話していた。




 俺、ケルテム・ルシャは愛銃のアサルトライフルを抱えて座席に座りながら深くため息をついた。26でこの特殊部隊を率いる人間だが、それ故悩みがあった。




 忙しすぎて女を作る暇がねぇ!




 元々俺は女にモテルために航宙兵隊(海兵隊の様なもの)に入隊したが、赴任先の火星植民地で運よく功績を挙げたり、外恒星系から来た敵との戦闘でまた功績を挙げた結果新たな部隊を率いることになってしまったのだ。確かにこの部隊の任務の重要性を理解し誇りをもって任務にあたっているが忙しすぎるのだ。内地(地球)に居る筈なのに一年も任務に従事することもある。マジ地球に違法に紛れ込もうとする異星人とあとその他の悪事を働く人間よ、勘弁してくれ。




 ーー今回の任務が終わったらしばらく休暇が取れるはずだ、そろそろマイハニーが欲しいぜーー






 ーー隊長がこの前首都区でナンパした相手が外恒星系から来たエルフの女でヒヤヒヤしましたよ、彼ら怒ると魔法使ってきますからーー






 ーーいやあ~あの時の女エルフ、機嫌がクッソ悪くてあわよくば殺される所だったわ。でもあいつとんでもない美人さんだったなぁーー






 ーー常日頃からナンパだのなんだの考えているからだから隊長は女運が無いんですよ。全く隊長は近くにこんなにも良い女が居るというのにそれに気付かないなんてーー






 ーーはいはいわかったよーー






 ーー何ですかそのあっさりとした反応!全くケルシャ大尉も相変わらずですねーー






 ーーああ、俺は男の中でも一番面倒くさい男なのだよ、リア少尉ーー






 他愛もない会話をしていたのはケルシャ大尉こと俺とリア少尉という女部下だ。彼女は大企業の令嬢ながらも優秀な頭脳と戦闘の才能があり、恐らく頭脳に関してはこの部隊随一を誇っている。彼女は才色兼備で容姿にも恵まれているが何故かこの俺にアプローチを仕掛けて来る。まぁ彼女のことは嫌いではないんだがな。




 任務までの束の間の会話を楽しんでいたが遂に司令部から通信が入った。




 ーー112、間もなく目標の存在が確認されたフロウビルに到着する、準備されたしーー




 ーー了解ーー




 俺は座席から立ち上がり部下たちの前に立つ。「よし!今回の任務は目標であるアイゼン・フロウと財閥関係者の抹殺とフロウビル上層部の爆破、そしてそれに関する情報の取得だ。あと司令部からは他の輸送機に積んだC15爆弾に戦闘用アンドロイド24体と情報アンドロイド4体を頂いている、戦闘用アンドロイドを一人に一体随行させてリア少尉・チルべ少佐には情報アンドロイドを2体ずつ随行させろ。」説明を終えると部下たちも準備を整え機体のハッチが開くのを待った。




 フロウビルはフロウ財閥という連邦の7大財閥の内の一つで、フロウ財閥は連邦の軍事面に大きな影響力を持っている。そんなフロウ財閥だが近年彼らが外恒星系から来た異星人と手を組み国家転覆を企てている事が発覚、国は異星人のテロだとして今回の顛末を終わらせるようだ。






 さて現代の暗部の腕の見せ所かな。


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