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ロスト・フェイカー  作者: ニシイパスコ
歯車の初動
9/100

学年の説明 (今更)

(…暗いな)

見回せるほど人混みが晴れた頃、研究施設の様な場所に来ていた。

全体的に薄暗く、間接照明の様なもので足元を照らされているだけだった。

そこに等間隔でバスタブの様なものが置かれており、その中のほとんどに生徒が入っていた。

「あの、みんなが被ってるヘルメットって何ですか?」

近くの関係者らしき男性に聞いてみる。

全員頭に、フルフェイスのヘルメットみたいなものを被っているその光景は、不気味そのものだった。

「あれがVITですよ。…もしかして、あなたが転入生ですか?」

わぁ、すごい爽やかなイケメン。声までイケメン…。

「そ、そうですけど…どうして分かったんですか?」

「だってネクタイが黄色だったので……もしかして、ほとんど説明受けてない感じですか?」

少し同情した顔をしながら聞いてきた。

「え、まぁ…そうですね。場所と最低限の事だけ聞いて、教科書と制服渡されただけですね」

改めて考えるとこの学校って説明無さすぎない…?

「あ、あぁ…そうなんですね。私も同じ経験しましたよ…。ほんとご苦労様です、頑張ってください」

あ、ここに同じ経験者が…!

「簡単に説明しますと、この学校は学年毎にネクタイの色が変わるんです。今年なら…一年生は赤色、二年生は黄色、三年生は青色なんです。来年になると一年生は青色、二年生は赤色、三年生は黄色…そんな感じで色がローテーションして学年を区別しているんです」

なるほど。二年生でVITを見た事ないってことは去年この遭遇戦に参加していない、なら転校生だろう…って考えたのか。

…あの会話でそこまで考えられるってことはこの人頭いいですね。容姿も声もイケメンで頭良いって羨ましいんですが。

「とりあえず、そろそろ遭遇戦が始まりますし、空いてる機械の中に入ってください」

「あ、分かりました」

言われた通り、誰もいないバスタブの中に入る。これって機械なのか…。

「じゃあそのままゆっくり呼吸をしてください。VITを被せるので、全身の力を抜いて目を閉じてください」

言われた通りすると、少しずつ意識が薄れていくのを感じた。

そのまま意識をゆっくり手放すと、数秒にも、永遠にも思える暗闇を感じ、体が優しい何かに包まれる。

しばらくそのままでいると、目が自然に開いていく。

「ここが…仮想世界、VITの中…?」

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