ちょっと野蛮な朝食タイム
「ん……?」
「………」
合宿二日目の朝。陽人が起きた時から霞がずっとこっちを見ているような気がするが、目が合うわけでもないので気のせいなのか…不思議な気持ちに包まれながら、ダイニングにて4人で朝食を囲んでいた。
「そういや志度さん、初日何にもしてなかったけど…あれで本当に良かったんですか?」
昨日は移動して倒れて雑炊を食べてその後各々自由に時間を過ごして…あれが合宿に含まれるというのが未だによく分からなかった。
「本当なら少し体を動かそうと思っていたんだけど…あの調子で無理をされて、今日も本調子じゃないです〜って言われる方がずっと困るからね。それなら二日間本調子で頑張ってもらったほうが僕としてもありがたいんだよ」
「な、なるほど…」
そう言われてしまえば陽人には何も言い返すことはできなかった。確かに昨日の調子で無理に体を動かしていれば、今日本気で頑張れるかどうか微妙なところだっただろう。
その会話の後、しばらく食事に専念する。と言っても、今日の朝食はパンにコーヒーだけなのですぐに終わった。
「よし、じゃあ今日の合宿内容を発表します!霞くんと桜くん。僕と陽人くんに分かれて実践練習、以上!」
全員の朝食が終わったのを確認して、志度が声高らかに宣言した。
もうこれわざわざ言わなくても良かったんじゃないか?
志度の言った内容は単純明快、ただ二組に分けただけだ。
「あの…それってここに来た意味あります?」
(実践練習なら絶対VITを使った方がいいでしょ…。死んだり怪我する心配ないし)
陽人の心を覗いたようにニヤリと笑う志度が口を開いた。
「そりゃVITを使ったほうが色々心配せずに済むよ。でも、この合宿で大事にしたいのはその“色々な心配”なんだ。二つもない命、避けなければ、対処しなければ死んでしまうというあの独特の緊張感。そういうものをここで学んでほしいと思ってるんだ」
「相変わらずバーサーカーじみた考えだな」
志度のその考えを聞いた霞が静かに口を開いた。
「それは認めるよ、もうこれ以上否定しても仕方ないからね。でも、君たちにはぜひ学んでほしいと思ったんだ。技術ならVITでいくらでも学べるけど、命のやり取りはあの機械じゃ絶対学べないからね。それに…自分で制御もできない攻撃、そんな危ないものを持っているとは思ってないんだけど、もしかして不安?」
志度が挑発的な笑みを霞に向ける。すると彼は、
「な訳ねえだろ。そんなものでもし暴走したら、そのまま自分で腹割いてやらぁ」
獰猛な笑みで応えていた。




