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何か始まる憂鬱な朝
「…またか」
ベットの上でため息をつく。
ここ最近同じ様な夢ばかり見てる気がする。
地獄と呼ぶのが相応しいか、その割にやけに現実感のある光景に日々うなされていた。
ベットの上で一つため息をついた陽人は、そのまま部屋のカーテンを開けた。
「…せっかく新しい学校に行くのに、朝から病みそう」
とある事情が原因で、陽人は以前の学校から転校することになっていた。
いくら病んでも時間は待っちゃくれないよな。
諦めのついた陽人は、そのままさっさと朝の支度を済ませて家を出た。
職場を変えてもらうわけにもいかず、親から離れて初めての1人暮らしで、転校初日。
ーその日の空は、分厚い雲が広がる曇天だった。