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鮮明で苦痛な、非現実な悪夢
「こんなのって…」
日笠陽人は絶望していた。
真っ赤な世界、周囲には血とマグマのようなものがそこら中を流れ回っていた。
呼吸をすれば、鉄の匂いや肉が焦げた匂いが鼻腔を突き通っていく。
暑い、痛い…。そこにいるだけで全身が焼けるように感じるほどだ。
ただおかしなことに遠くを眺めると、そこは全てが凍っているように見える。
いや、実際に凍っているんだろう。枯れ草や人間らしき形をしたものが、身動きを許されぬまま存在していた。
ああ、色んな場所で爆発音が聞こえる。
静と動、赤と白、暑と寒…酷く両極端なこの場所に共通するのはたった2つ。激しく刺すような痛みと、底の見えない絶望感だった。
不定期に投稿すると思います。
頭の中ではもうずっと先まで出来てるので、追いつけるように頑張ります。