844.ぽこぽこ検査
「コカ博士の援助で、今年の冬至祭もこの像で祝えますね」
「意外と何年も使えるものだな」
この像の建造費の一部は、コカ博士の出資である。
かなりの大金で財力も窺い知れる。
「よし、さっさと点検してしまおう」
コカ博士は羽を広げながら魔力を解き放った。
青く淡い光と共に、コカ博士がゆっくりと宙に浮かんでいく。
そのまま――コカ博士はふよふよとコカトリスの像へ向かっていった。
「ふむふむ……」
コカ博士はお腹のポケットから小さな木槌と検査具を取り出し、像を軽く叩き始めた。
ぽこぽこ。
かんかん。
ぽこぽこ。
そのままコカ博士は浮遊しながら、像の各所を点検していく。
「背中は異常なし、と」
コカ博士の点検を見上げながら、紫影がぽつりとつぶやく。
「……普通に凄い魔法でござるな」
「完全に制御しているからな。しかも両手を動かしながら」
空中でこのような芸当ができる人間は、ザンザスの冒険者にはステラ以外にいない。
それほど魔法を使いながら何かをする、というのは難しいのだ。
「この像にも大金を出してくれましたし……」
ふよふよーっとコカ博士がコカトリス像の後ろに回る。
「動作のほうは……」
コカ博士が像の裏側から魔力を流し込み、ぽちっとボタンを押す。
そうするとコカトリス像の羽がゆったりとバタバタし始めた。
「実は点検はウチでも出来るのでござるが……」
「自分の目で確かめたいのだろう、きっと。わかる。わかるとも」
ヒールベリーの村に通い詰めるレイアはうんうんと頷いた。
「……ぴよ好きの共通点でこざるな」
「何か言ったか?」
「気のせいでござる」
ボタンをオンオフしたり、像の各所を調べたり。
入念な検査が続く。
小一時間してコカ博士はコカトリス像からレイアと紫影の元へ戻ってきた。
「大丈夫、今年も問題なしだ」
「ありがとうございます……!」
コカ博士はお腹から紙とペンを取り出すと、さらさらと絵を描き始める。
コカトリス像の三面図だ。
その中の三か所にコカ博士が丸をつける。
「だが三か所、毛が落ちかけている。ここだけは補修すべきだろう」
これも例年の流れである。レイアはよどみなく答えた。
「しっかりと直しておきます。必要素材は第三層で入手できますので」
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