841.今後の相談
「それで、どのような海水がベストですわ?」
詳細は詰めてなかったな。
まずは海水が用意できるかだし……。
「うーむ、それはステラとの相談だな」
「もぐ! そうしたらその海水を分析、量産を目指しますもぐ!」
「了解した。海水そのものが重要ということだな」
豆腐作りは水が決めるという言葉もある。
まだにがりの段階だが……。
とはいえ、にがりがないと前には進まない。
分からんが、にがりの成分によっては豆腐ができない可能性もあるだろうし。
だが、やるべきことは見えてきた。
それだけでも大きな収穫だ。
◆
数日後、ザンザスの冒険者ギルド。
レイアはザンザスに戻って書類仕事を進めていた。
「ぴよ帽子の量産、ステラ様の名言マントの量産……」
にこにこ顔のレイアが冬至祭の書類を片付けていく。
書類に判を押し、修正点は書き込んで指示を下す。
流れる書類を受け取りながら、副ギルドマスターの紫影はジト目になっていた。
「ご機嫌でござるな」
「ふふ、一番楽しい仕事だからな」
「議会がレイアの不在に、アレコレ言っているでござるよ」
このところのレイアの不在を疑問視する輩もいる。
しかし、レイアは一顧だにしない。
「仕事は滞らせていないはずだがな。ナーガシュ家との折衝で忙しいと言っておいてくれ」
「そう伝えているでござるよ」
「さすが、わかっている」
紫影は軽く息を吐いた。紫影は知っている。
レイアがヒールベリーの村に通うのは、コカトリスをもふもふするためであると。
ザンザスのダンジョンには入場規制があり、連続で入ることはできない。
しかしヒールベリーの村では、コカトリスはもふり放題なのだ。
レイアがそれを見逃すことがあるはずもなく……。
「まぁ、成果が上がってストレスも軽減されるみたいでござるし……」
「何か言ったかな?」
「気のせいでござる」
実際、ヒールベリーの村ができるまでザンザスの冒険者ギルドは大変だった。
それががらっと好転したのだ。
今ではレイアは土風呂とコカトリスで、過去最高にお肌がツヤツヤになっていた。
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