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【書籍化・コミカライズ】植物魔法チートでのんびり領主生活始めます~前世の知識を駆使して農業したら、逆転人生始まった件~   作者: りょうと かえ


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83.称号

第五章『もふもふは地下にあり』開始です!

 ……またずいぶん変わった話を持ってきたな。この場で即答なんて出来ない話題だ。

 まぁ、しかしそれが狙いか。

 詳しく説明するからとりあえず時間をくれ、ということだろう。


「興味深い提案だ。明日の朝、詳しく聞こう。それで良いか?」

「ええ、突然すみません。しっかりと説明いたしますので」


 レイアは冒険者達の輪に戻っていった。

 さて、どうしたものかな……。

 俺はイチゴをつまみながら、レイアから出された単語――冒険者ギルドのことを思い返していた。


 冒険者ギルド。それは超国家的組織。

 魔物やダンジョンから人々を守るための組織だ。


 確か世界各地に支部があり、国ごとにそれらを統括する各国本部がある。

 さらに各国本部の上に総本部があったと思うが……それは雲の上の話か。

 とにかく世界的で巨大な組織ということだ。


 さらにこの世界の冒険者は荒くれ者や食い詰め者の寄せ集めではない。

 ちゃんとした選抜試験があり、冒険者になることは一種のステータスである。


 貴族はその魔力により特権的地位にいるが、数が少ない。日常的に領地を巡回・討伐したり、ダンジョンに潜ることはできないのである。と、ここまでが一般的な話。


 その支部を立てて俺が支部長か……。

 貴族の側からだといまいちわからん。


 ステラもこの話は横で聞いていたと思うが……どうなんだろうか。知識自体は古いかもだが。


「ステラ、今の話はどう思う?」

「ええ……今はどうかわかりませんが、私が冒険者だった頃はよくありました」

「……そうなのか?」

「はい、やはり冒険者は武装していて、戦闘能力もある人間ですからね。行き来させるのにも地元の有力者とトラブルにならないよう、元から有力者をギルドマスターにするのはよくありました」

「なるほどな……」


 まさに黎明期の話だな。

 だが、確かにステラの言う通りだ。


 俺の場合は大貴族の名と魔力の後ろ楯がある。しかしこれがなければ、冒険者の出入りに危機感を覚えるかもしれない。


 少なくともまともな人間なら、ちょっとは身の危険を感じるだろう。

 なにせ戦闘のプロがやってくるのだから。

 日本でも警官でもない武装した人間がうろつけば、それが有用でも不安になる。


 その意味で有力者をギルドマスターにすることは、お互いに利益になりそうだ。

 有力者は明確な上下関係を手に入れ、冒険者ギルドは無用な警戒から解放される。


 その円滑さの利益は俺が思うより、きっと大きいのだろう。

 なにせ法や政治体制は近世レベル。何でもありとは言わないが、現代地球とは比べるのが難しい。


「レイアは元冒険者だと聞いたが、ステラからしたら珍しいのか?」

「そうですね。ザンザスだけはダンジョン発見者が冒険者なので、元冒険者がギルドマスターになっていました。それ以外では……冒険者が開拓してそのまま有力者になったりとかを除くと、知りません。ほぼ有力者がギルドマスターだったはずです」


 なんと……。冒険者がギルドマスターになる方が珍しかったのか。

 今もそうならレイアの提案も突飛でリスクのある話――というわけではないのだな。


 むしろ新しい開拓地にはこう提案しろというマニュアルがあるのかも……。

 そんな気さえする。


「今もそうなのかは、わかりませんが……」

「いや、わかった。ありがとう。いつもすまないな」

「はわ……いえ、こちらこそ……」

「ぴよ、おどるぴよー!」

「おおっ、いきなりなんだ?」

「楽しいぞー!」


 マルコシアスとディアがいきなりやってきた。宴会場を見ると、大盛り上がりしてる。

 ……半分くらいの人が踊っているな。お酒が入ってるのもあるかもだが。

 コカトリス姉妹もまだ踊っている。皆、楽しそうだな。


「とおさまもかあさまも、いっしょにどうぴよ?」


 ……かわいい。

 ディアを抱えてステップするくらいなら、俺にも出来るだろうし。


「よし、やろうか」

「ええ、行きましょう……!」

「やったぴよー!」


 こうして宴会は大盛り上がりのうちに終わったのだった……。


 ◇


 その日の夜。

 俺達は宴会で飲んでいたわけではないので、家に帰ることにした。

 飲んでいたのは完全なブドウジュースだからな。娘の前であまり酔っ払いたくはなかったし。


 この深夜に村を歩くのは珍しい。

 夜の星空はきらきらと宝石が散りばめられたように、輝いている。


「うーん……踊りすぎた……」

「ウゴウゴ、だいじょうぶ?」

「すまない、大丈夫だ。足がぴくぴくしてるだけ……」


 ウッドに背負われているのはマルコシアス。

 つまりあまり大丈夫じゃないんだが。


 まぁ、初めての宴会だからな。ブレーキが効かずに限界まで遊んだ感じだ。

 マルコシアスも子供みたいなものだからな……というか、精神的には多分結構子供だ。


「ぴよ……すや……ぴよ……」


 ディアはステラに抱えられ、うとうとしている。こちらも疲れたのだろうな。

 それくらい楽しめたのなら、何よりだが。


「……それでさっきの話だが……」


 周りに人がいなくなったので、俺はステラに聞くことにした。フラワージェネラルを倒した時に何があったのか。


 魔物を倒した時に何かあったのなら多分、スキルだと思うが……。しかしフラワージェネラルを倒して得られるスキルはなかったはず。どういうことだろうか。


「はい、フラワージェネラルを倒した時に頭に単語が浮かんだんです。スキルのコカトリステイマーを獲得した時と同じ感じで」

「ふむ……」

「称号、コー・ティ・エンの資格者……と」

「……称号? それはまたレアだな……」


 称号とはゲームの中にもあった。イベントに出てくるボスを特殊な方法で倒すと得られるのだ。

 そのどれもが高難易度で、トッププレイヤーしか挑めない。


 その上、称号を得られることによる特殊効果は特になかったはず。

 一部のイベント等で登場人物の台詞が変わるくらいだ。


 確か村長みたいな人が普通だと……。

「おお、栄えある冒険者よ!」


 こんな台詞が称号【神に反抗せし虎を打ち破りし者】があるとこう変わったりする。


「おお、恐るべき白虎を倒した冒険者よ!」


 正直、結構微妙である。

 わずかに違うというか、並べられれば気がつく程度か。


 要はゲームの中だとフラグとしてしか処理されない。スキルと違って能力には無関係なのだ。


「……他に称号の話は聞いたことはあるか?」

「いいえ、ありませんね……」


 まぁ、そうだろうな。

 この白虎も特殊な条件を満たさないと戦うことも出来ない。称号を得られるボスと出会うのも面倒なのだ。


 俺も知られている称号はコンプリートしていたが、そんなのは極々一部でしかない。

 他にやることがあんまりないトッププレイヤーの暇潰し……称号はそんな扱いだった。


 しかしフラワージェネラルが称号の条件になっていたとは……初めて聞いたな。

 多分、ゲームの中で知られている話ではなかったはずだ。

 弾を打ち返して倒したからか……? それくらいしか未知の倒し方はない気がする。


 それに【コー・ティ・エンの資格者】。

 ……コー・ティ・エンってなんだ?

 知らん。


「あとはコー・ティ・エンか……。この単語に聞き覚えは?」

「ありませんね……。エルト様から聞いた甲子園が一番近いと思います」

「そうだよな……。すまん、俺もよくわからん」


 ステラが首を傾げる。俺も首を傾げる。

 わからん……。


「……まぁ、特に気にしなくてもいいんじゃないか。スキルだとしてもマイナスにはならないし」

「そうですね……。とりあえず気にしないことにします」

「念のため、他に口外はしないようにな」

「ええ、心得ています……」


 魔法やスキル、アイテムといったシステム面はこの世界とゲームで共通。

 なので多分、心配はいらないだろう。

 ゲームの中でもほとんど意味のない要素だったし。


 他の称号とも関連はないはずだ。

 俺も持っていた称号だと……。

【太陽竜を打ち破りし者】【古都の燕を打ち破りし者】【遥かなる巨人を打ち破りし者】他にも色々とあるが……。


 ……うん、資格者という称号は他にない。

 討伐称号だけだな。


 とりあえず、気にしないでおくとしよう。

 野球に関連している気がするのは、きっと気のせいのはずだから……。

お読みいただき、ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] さりげなく大洋(太陽)も打ち破ってるな どうやら鯉の時代が来てしまったようだな…!
[良い点] このときはまさか、神戸という地名に”神”の字が含まれていることが 物語の中で神の領域に踏み込む者を生み出す要因になるなどと思ってもいなかった・・ なんて
[一言] まあ、本来は団体競技である野球なわけで 一人で資格者と言われても何が何やらですわいな 打撃特化で競い合うとか妄想はできますけど そして相変わらずマル犬は虚弱でありました
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