824.噴水建設
そうして1週間ほど経って。
冒険者ギルドの前に噴水が建設されることになった。
「ぴっぴよー」(はこぶはこぶー)
「ぴよよー」(えっさほいさー)
コカトリスが石材を運んでくる。
これらはザンザスから仕入れたモノだ。
どれもピカピカに磨かれ、なかなかの見栄えである。
「えっほえっほー」
ステラもコカトリスに混じって石材を運んでいた。
ちなみに俺はちょっと離れている。
万が一、足にでも落ちてきたら大怪我間違いなしだからな。
ということで俺の役目は工事ルートを目立つ植物(カラフルな花やツタ等)で隔離することだった。
「その石材はー……あー、この辺で」
「次の石材はこっちもぐー」
工事責任者はナナとイスカミナだ。
作業は順調に進んでいる……。
「ぴよ。楽しみぴよね」
「わっふ。綺麗な噴水は心が洗われるんだぞ」
「噴水って水ぴよね? 泳いでいいぴよ?」
「わふふ。きっと大丈夫なんだぞ」
おいおい、普通なら駄目なのだが。
でもこの村だとコカトリスもドリアードもいるからな。
ある程度は使えないと……というところではある。
なので、最終的には噴水に泉を足すという形だ。
それならまぁ、泳ぐ方々も納得するだろう。
「ウゴ、有効活用だね!」
「そうだな、水流制御ができるのはありがたい……」
盗難防止装置もナナが作ってくれた。
無理に壊そうとすると大変なことになるらしい。
そもそも相当頑丈でもあるみたいだが。
で、核の中で噴水に使うのは半分だけ。
残りの半分はテスト用だ。
「魚の養殖にプラスになればいいがな」
「ウゴ、どうなるかな?」
「……レインボーフィッシュの生態は謎が多い。色々とやってみるしかない」
生き物と付き合うのにはどうしても時間がかかる。
成果もすぐに出ないしな……。
こうして秋も深まる頃、村に新しいランドマークができることになったのだった。
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