823.核の使い道
核は色々と調べてもらったが、特に問題はないようだった。
超高精密な魔法具ということで……数日後、ナナが核の玉を持ってくる。
俺の家で核の今後について話し合いだ。
「もう大丈夫だよ。検査も終わった」
「ありがとう、どうだった?」
「どうやって作ったのか……研究するだけで数世代かかりそうだね」
ナナの言葉に俺はぎょっとする。
「……それだけ高度ということか」
「うん、でもまぁ……機構自体はそこまで複雑じゃない」
ナナがころころとテーブルの上に核を転がす。
綺麗な青色の玉にディアがふんふんと頷く。
「きれーぴよね!」
「わふ。もう安全なんだぞ?」
「ヒドラを作る仕組みは壊したから、安全だよ」
ふむと俺は腕を組んで考える。
「なにか活用できればいいんだがな」
「ウゴ……」
ウッドもステラも首を傾げて悩んでくれる。
「うーん、村のためになるものがいいですね」
「……そうだな。水を使うモノか。魚の養殖で使えるか……?」
「ウゴ、水のコントロールとか!?」
俺の言葉にナナがふにっと羽を掲げる。
「面白そうだね。水流の制御は比較的簡単にできるようになるかも」
「ナールに相談してみよう。マルデ生物にも有益かもな」
ため池にも上手く使えるかもしれない。
そんな話をしているとディアが核を持ってぴよっとした。
「噴水とか、キラキラしたのはどうぴよ!?」
「……噴水?」
「そーぴよ! えーと、本にあったぴよ。ラン、ランド」
「ランドマクラだぞ?」
すごく惜しい。
なんか違う。
「ランドマークですね」
「それ! それぴよよ!」
ステラが正解を言ってくれる。
「噴水ですか。盗まれないようにすれば、そうしたものは……集客力はあるのでしょうか?」
「大都市でも噴水はそうそう設置できるものではないからな。住人の憩いの場にもなるだろう」
もちろん観光客を増やすうえでも噴水は有用だ。
派手きらびやかな噴水は、現代でさえ話題になるほど……。
この世界ではなおさらそうだろう。
「ちょっと時間はかかるかもだけど、噴水もできるよ」
「よし……じゃあ、ちょっと案を練ってみるか。予算も積んでな」
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