表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【4月コミカライズ発売!】植物魔法チートでのんびり領主生活始めます~前世の知識を駆使して農業したら、逆転人生始まった件~   作者: りょうと かえ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

822/836

822.【称号】水龍を打ち破りし者

 その日の夜。家のソファーで本を読んでいると、ステラが横に座った。


「ちょっとよろしいですか?」

「ああ、大丈夫だ」


 本にラベンダーの栞を挟み、テーブルに置く。


「実は……湖での戦いのあと、また頭の中に言葉が浮かんできまして」

「……この前のフラワーアーチャーとの戦いと同じく?」


 だとすると称号関連か。


「はい……。このような言葉が浮かんできました」


 ステラが持ってきた紙を見せてくれる。


 【称号】水龍を打ち破りし者


「ふむ……明らかにブルーヒドラのことだろうな」


 そして俺はこの称号も知らない。


 前世でのゲームにはなかった。

 これまでと同じ感じだな……。


「とりあえず心配する必要はないと思うが」

「そう、ですね……」


 微笑みながらもステラの表情は晴れない。

 その理由を俺はなんとなく察した。


「この領地を心配しているのか?」

「――ここはかつて、魔王の支配領域でした」

「数百年前、ステラによって倒された魔王だな」


 歴史書には普通に書いてあったから、俺も知っていた。

 魔王は世界各地に災厄をもたらした。この国での活動期間は一年もなかったみたいだが。


「最後、魔王は巨大魔法具を自爆させ――私も致命傷を負ったのです」


 そしてステラは行方不明になったわけだ。

 実際には木像となって生き延びていたとはいえ。


「記録では魔王城ごと吹っ飛び、ほとんど何も残っていなかったらしい」

「でしょうね……。私もあまり覚えてはいませんが……」

「その後、俺の先祖――ナーガシュ家がこの地を接収した。まぁ、ほとんど放置だったが」


 俺がここに来た時にはボロ家くらいしかなかったからな。

 ザンザスの記録でも、たまにナーガシュ家の人間が訪れたと記される程度らしいし。


「他にも魔王の遺物が残っているかも……ということだろう?」

「わたしの時代でさえ魔王がここで何をしていたか、誰にもわかりませんでした。魔王そのものも謎に包まれています」


 それは今の時代でもそうだ。

 ステラの時代以上に、何かがわかっているわけではない。


「これまでの何百年も何もなかったと言えば、そうなのでしょうが」

「ステラの懸念はもっともだ。一応、実家に手紙は書いたんだが」


 気は進まなかったが、ブルーヒドラの核が出た時に手紙は出したのだ。

 とはいえ、ステラ以上の情報が得られる見込みは薄いだろう。


 魔王関連の歴史書でも、ナーガシュ家の名前は最後にしか出てこない。


「……マルちゃんの記憶が戻れば、他にも情報が手に入るかもですね」


 そのマルコシアスは綿にくるまれ、半分寝ていた。


「ぴよー……つやつやぴよー……」


 頭の上にディアが乗り、髪をぺしぺしされながら……。

お読みいただき、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ