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【4月コミカライズ発売!】植物魔法チートでのんびり領主生活始めます~前世の知識を駆使して農業したら、逆転人生始まった件~   作者: りょうと かえ


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807.雨

「きゅー」(ねむむー)


 少しの間、俺は野菜を生み出しながらのんびりした。

 やがてアルミラージもお散歩とご飯で眠くなったのか、芝生に寝転がる。


 目つきもトロンとしているな。


 俺がそんな感じでうとうとし始めた、その時。

 ディアがふと撫でる羽を止めて、空を見上げる。


「ぴよ。あれはなにぴよ……?」


 ディアの視線の先を追うと、湖の上空に何かがいた。

 なんだか大きい……? 鳥とは思えないサイズだ。


 テテトカが目を細め、見定めようとする。


「鳥さんですー?」

「いや、もっと大きいような……」


 しかも黄色いような? 魔物……いや、かすかに音がする。

 パラパララ……。この世界では珍しいプロペラ音だ。


 ちょっと前に聞いた気がするが――そこで俺ははっとした。

 五感の優れるステラが答える。


「……どうやらナナが魔道具で飛んでいるようですね」


 ステラの正確な補足で俺は思い出していた。


「あの飛行用の魔道具か……」


 多分ナナやステラでないと大怪我確実、試作の魔道具だ。


 謎の飛行物体(ナナ)は徐々にこちらへ接近してくるようだ。

 高さは三十メートルくらいか。高層ビル並みの高度で飛んでいる。


「アレは着地に難があったが……」


 多分、空を飛ぶうえで一番重要そうな点だがナナの着ぐるみは丈夫だ。

 前もあんな着地だったが、無傷だったわけだし。


「しかしヴァンパイアは水が苦手じゃないのか……?」

「着陸時に他のみんなへ迷惑をかけたくないから、ここにしたのかも……」


 それで人がおらず苦手な水のあるところにしたのか。

 涙ぐましい配慮だ。


「あっ、雨ぴよ」


 ディアがぶ厚い雲を見た。


 ぴちょん……。


 俺も小さな雨粒を額に感じた。


「本当だ、ついに降ってきたか」


 しゅっと手をかざし、俺は大きな雨除け用の葉を生み出す。

 蓮の葉みたいな感じで、傘代わりだ。


「ウゴ、まだぽつぽつだね」

「ああ、大したことはないが……」


 マルコシアスがくむくむと鼻を動かす。


「……湖はめっちゃ雨が強いんだぞ」

「えっ?」


 マルコシアスに言われて湖を見た。


 ざぁーー……!


 湖の対岸から真ん中にかけて、なんと強烈な雨が降っていた。

お読みいただき、ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
羽ばたき飛行機械(MTG)じゃなくて、回転翼飛行機(ヘリコプター)だった(笑) 回転翼機は構造上、特に着陸時において地面に風が当たり、気流が乱れて不安定になるから、操作が難しくなるんだよね。
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