802.担い手
「主の背後から炎が出てるんだぞ」
「ウゴ、さっきお風呂の話とかしてたから……」
アナリアはディアからにんじんを恭しく受け取る。
「わかりました……! イスカミナにジュースにしてもらいます!」
「それがいいぴよ! お野菜生活ぴよよ!」
「はい! では、早速ジュースにしてがぶ飲みして睡眠を取ります!」
「いってらぴよー」
「寝てらなんだぞー」
こうして2個の雷神球の瓶を置いて、アナリアは帰っていった。
雷神球がとりあえず2個か。これだけでも相当な攻撃力だ。
問題は誰が使うかだが……。
「よし、1個はステラが持っていたほうがいいな」
「承知しました。決戦のときに、ぜひ!」
「ああ、投げてもらえれば大丈夫だからな」
そして残りはもうひとつ。
正直、雷神球の瓶はかなりの重さがある。
投げられる人は限られる。
「わふ。我と主には……ちょっと無理なんだぞ」
「ぴよ! 身体と瓶の大きさが同じくらいぴよね」
「パワーでいえば、ウッドが適切だな」
雷神球の瓶をベルトにくくりつけながら、ステラも頷く。
ブルーヒドラの性質を考えれば……。
「同時に当てる必要があるなら、分けて持っていた方がいいかもですね」
「ウゴ……俺?」
「ぴったりだと思うぴよ!」
「ぶん投げてやるんだぞ!」
雷精霊のときもウッドは大活躍だったという。
パワーと正確さなら俺よりも適任だろう。
ということで、俺は雷神球の瓶をウッドへと手渡した。
「頼んだぞ、ウッド」
「ウゴ! がんばる!」
ウッドもやる気のようだな。これで一安心だ。
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