799.ぴよきゅい
「詳細は長くはなるんだが――コカトリスを見ると、こうなるんだ」
「そうなんですっ!?」
「ああ、だから心配しなくても大丈夫」
「はぁ……」
ちなみにステラたちはアルミラージへにんじんをあげ始めていた。
にこにこしながら口元へ持っていっている。
「ふふふ……。たくさんありますからねー」
「きゅいー!」(ごはんだー!)
ぽりぽりぽり……!!
アルミラージはにんじんをがつがつ食べる。
「さ、ディアもやってみましょう」
ぴょん、ディアがステラの懐から手に移った。
「ぴよよ~、やってみるぴよ!」
ディアが小さめのにんじんをアルミラージの口元に持っていく。
「どうぞぴよ!」
「きゅっぷい!」(食べるー!)
もしゃもしゃ。アルミラージはディアからも食べ始めた。
「きゅぷー!!」(うまーー!!)
「ぴよちゃんも食べますか?」
ステラがにんじんを見せると、コカトリスがよだれを垂らす。
どうやら凄い食べたかったようだ……。
「ぴよよ!」(さっすが、話がわかるー!)
「ぴよっぴよー!」(もちろん食べるぅー!)
コカトリスもステラの周りに集まっていく。
ステラはにっこにこでコカトリスにもにんじんを与えている。
「ウゴ、俺からもどうぞ!」
ウッドもにんじんを差し出すと、コカトリスが嬉しそうに受け取る。
「ぴよ、ぴよよ!」(にんじん、ありがと!)
「ぴよよー」(中々の樹だねー!)
「ウ、ウゴ? 俺のところにたくさん……!」
うん? コカトリスはステラよりウッドに集まっているな。
ふわもっこな体をウッドにこすりつけている。
「ぴよよー」(すりすりー)
「わふ、どうやら兄上の体が木だから人気みたいだぞ」
マルコシアスの予測にステラが頷く。
「なるほどですね……。肌触りが好ましいのでしょう」
ディアはアルミラージの頭を気持ち良さそうに撫でている。
「ぴよー。柔らかぴよねー」
「きゅっきゅー」(ふわふわの羽、きもちいいー)
「ぴよ! しっかりお手入れしてるからぴよ」
「きゅい? きゅいい?」(えっ? どんなー?)
「毎日のお風呂ぴよ! ちゃんと洗うぴよよ」
「きゅー、きゅい~」(いいなー、毎日のお風呂~)
ディアが羽をぱたぱたさせる。
「ん? ディア、アルミラージと話せるのか?」
「ぴよ? 話せるぴよよ!」
「わぁ、素敵ですね……!」
ステラがずいっと身を乗り出す。
「どんなことを話しているのですか?」
「ぴよ! あたしの羽が、ふわふわしてるらしいぴよ!」
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