792.滞在の方向
カイが頷く。
「では作戦決行まで、村に滞在という方向でよろしいでしょうか?」
「ああ、協力を要請する。……ちなみに対価はどうなる?」
この世界、貴族と魔法絡みでタダということは稀だ。
先に聞いておいたほうがいいだろう。
「これは占星団からの依頼ですので、報酬はそちらから受け取ることになっています」
ほう、そうなるのか。
「それはありがたい話だな」
「ただ、出来れば占星団に『占い当たりました』という手紙を書いて頂けると、先方も喜ぶかと」
「礼文だけでいいのか。もちろん書こう」
「ありがとうございます。良かった、アルミラージも休ませたいので……」
横になったアルミラージは目を閉じていた。
もう寝ている気がする。
「きゅいー……」(すやー……)
おっと、アルミラージの注意点も聞いておかなきゃな。
「何かアルミラージ関連で要望や気を付けるべき点はあるか? 出来る限りのことはしよう」
「アルミラージはお日様が好きなので、お散歩の許可を……!」
「……ちゃんと見てもらえれば大丈夫だぞ」
「ええ、こちらでも気にかけますしね」
ステラがにこにこしている。お散歩についていきそうだな。
まぁ、この村ではコカトリスも出歩いているし。
あ、そのほうが問題か。言っておかないと。
「そう言えば、あのコカトリスたちは好きにお散歩している」
「そ、そうなのですかっ!?」
「うむ、やはり閉じこもっているのは性に合わないらしい」
コカトリス姉妹も地下コカトリスも毎日出歩いている。
農作業の手伝いも兼ねているので、止めるという選択肢はない。
日々、お散歩。ぴよぴよ農作業だ。
まぁ……手伝った分だけご飯として食べていくのだが。
「……それは仕方ありません。私も頑張りましょう……!」
少し顔色が悪い気がするが……うん。短期とはいえ心強い味方がきたわけだ。
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