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【4月コミカライズ発売!】植物魔法チートでのんびり領主生活始めます~前世の知識を駆使して農業したら、逆転人生始まった件~   作者: りょうと かえ


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775.対抗手段

 なんだ? 頭が、記憶が揺さぶられる……。

 俺は想わず額に手を当てた。


「うっ……」

「ぴよ! どうかしたぴよ?」

「……大丈夫だ」


 きっかけはブルーヒドラという名称か。

 関係する前世の記憶が、ほんのちょっとだけ戻った。


 ブルーヒドラの性質。そして弱点。

 ブルーヒドラは水でできているので、物理攻撃が通じにくい。


 他の魔法攻撃も効果は薄い。

 ただ、ひとつだけ弱点がある。


「雷の魔法があれば、効果的に戦えそうだが……」


 そうだ、ブルーヒドラに似た敵はゲームにも出てきた。

 同じように核があり、数十個の首で攻撃してくる。


 雷属性がないと攻略不能クラスだったな。

 あのブルーヒドラがそこまでの力を持っているかどうかだが。


「雷の魔法ですか……。申し訳ありません、わたしには使えません」

「ウゴ、使える人って、この村にいたっけ?」


 俺もすぐには思い至らないな。

 というより、攻撃魔法の使い手自体があんまりいない。


「攻撃魔法の使い手自体も珍しいみたいだからな」


 うーむ、雷……何かあったような気がするんだが。

 こういうことはナールとかに相談するか。


 明日、その辺を詰めてみよう。



 翌日。

 冒険者ギルドでナールに話をしてみる。

 ちなみにアナリアも同席だ。


「雷の魔法、ですか……」

「にゃー。かなりレアですにゃ……」


 少し考えていたアナリアが、


「残念ですが住人名簿で見た記憶がありませんし、ザンザスの冒険者にもいないはずです」

「うーむ、やはりダメか……」


 あとでレイアに問い合わせはしてみるが期待薄だな。

 俺も雷の下級魔法なら使えるが、あまり役には立たないだろう。


 魔法はその適性がないと真価を発揮できない。

 とはいえ、雷の魔力攻撃であれば魔法でなくてもいい。


「……そう言えば、ザンザスでは雷鉱石が手に入るんだったか?」

「にゃ、ステラが攻略した第2層で手に入りますにゃ」

「雷精霊の住処ですね。雷鉱石は電撃ポーションの材料になりますが……」


 アナリアが言い淀む理由はわかる。電撃ポーションは前に大量に作った発火ポーションと同じく、属性攻撃を可能にするアイテムだ。


 しかし攻撃力そのものは高くない。前世のゲームでも、この世界でもこの点は同じだ。

 だが、抜け道はある。 


「純度を高めれば、攻撃力を高めることも可能だが……」

「そうなのですかっ!?」


 アナリアが食いついてくる。さすがポーション作りのために引っ越しする薬師だ。


「初めて聞きましたにゃ!」

「これはナーガシュ家で秘匿された知識だから、無理もない」


 これはでまかせだ。出所は俺の前世の知識である。


「さすが現王家より歴史あると言われる、ナーガシュ家……!」

「雷撃ポーションは純度を高めると固体になるんだが、手間もかかる上に材料がな……」

「固体ですにゃ?」

「ああ、雷神球という名前に変化する」


 製作には最上品質の雷鉱石、その他もろもろが必要だ。

 ゲーム中では10倍の材料費で数倍の攻撃力になった。つまり効率は良くないのだが。

 だが恐らく雷神球なら、ブルーヒドラの首を一撃でダウンさせられる。


 紙を手に取り、さらさらっと必要な材料を書き込んでいく。

 俺がメモをした内容を見て、アナリアが唸った。


「これは……サンダークラウドの結晶、パープルタイガーの骨、電光サソリの毒……」

「にゃー、どれもレアな素材ですにゃ!」


 ゲームでは売買で手に入るが、この世界ではやはり貴重か。

 だがアナリアはふむふむと何度も頷いている。


「ザンザスの冒険者ギルドと薬師ギルド、それといくつかの商会を巡れば材料は揃うかも」

「アナリア、それは本当か?」

「ただ、これほどの素材です。揃っても数個作れるかどうか」


 おお、しかし数個は作れるかもなのか。

 それなら多少、手間ではあるが……。


「備えはあったほうがいいな」

「モノはあちしも知っていますにゃ。商会なら商人の繋がりがありますにゃ」

「薬師ギルドの分は、私が取りに行けば――」


 俺達は顔を見合わせる。


「……よし、材料の入手と作成をお願いできるか?」

「はい!」

「ラジャーですにゃー!」


 ふたりは勢い良く返事をする。

 こうしてアナリアとナールはザンザスへと材料を取りに行くことになった。

 やはり人には聞いてみるものだな……!

お読みいただき、ありがとうございます。

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