773.帰宅
ただ、警戒と核の探索は必要だ。
そんな危険なものがここにあるのなら。
「そうだな。村の地下から現れないとも限らない」
厄介なことになってきたな。
早急に調べられるところは調べないと。
「あとちょっと、気になる点がありますもぐ」
「事態が事態だ。気が付いたことは何でも言ってくれ」
「もぐ! さっき地下を調べていたとき、妙な結果が出ましたもぐ」
ほう、どんな結果なのだろう。
「細長い地下空間があちらのほうにある感じでしたもぐ」
ララトマのいたのとは別の方角から?
あちらにあるのは……ため池と湖か。
「なるほど……。あの謎の湖か」
あの湖も謎の大きい場所ではある。
これまではそこまで深くは調べなかったが。
ステラが提案をする。
「それなら精鋭を選抜して、湖に向かわせますか」
「そうだな。位置を絞り込めれば……」
背負われたままのナナが俺の疑問に答える。
「術式を全部精査したわけじゃないけど、起動するにはいくつか条件があると思う」
「水とか魔力とかですわ?」
ジェシカの言葉にナナが頷く。
「ある程度の水量は必要なはず。細かい条件がわかれば……」
「もぐ! 探しやすくなるもぐ!」
村に戻り、水関係の調査手配を手早く済ませる。
しばらくしてナールとナナから報告が来た。
「ため池や水道はクリアですにゃー!」
「だとすると怪しいのはやっぱり湖かな」
「ありがとう、お疲れ様。続きはまた明日にしよう」
今日は一旦、解散とした。これ以上の調査には準備がいる。
ステラと一緒に太陽に照らされた道を歩いていく。
「色々とあったな……」
「本当ですね……」
ちょっと疲れているかもしれない。家に戻った時にはすっかり夕方になっていた。
「ふぅ、ただいまー」
「ただいまです……!」
俺とステラをディア達が出迎えてくれる。子ども達の顔を見ると、ほっとするな。
「おかえりぴよよー」
「おかえりなさいだぞ!」
「ウゴ、おかえりなさい! ……なにかあった?」
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