表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【4月コミカライズ発売!】植物魔法チートでのんびり領主生活始めます~前世の知識を駆使して農業したら、逆転人生始まった件~   作者: りょうと かえ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

766/837

766.堀の水

 ナールとジェシカの報告で俺達は堀に向かうことにした。

 メンバーはステラ、ナナ、ジェシカ、イスカミナ、案内役のナール、それに俺だ。


 村の最強メンバーといっていい。

 朝焼けの森の中を俺達は移動する。


「にゃー。早急な調査、ありがとうございますにゃ」

「気にしないでくれ。不穏なことは早めに処理しておきたいからな」

「そうですね……わたしもちょっと気になります」


 地下通路がどうなっているのか。

 全容は解明されていない。


 もしかしたらどこか、魔物の巣窟と繋がっている可能性もあり得る。


「申し訳ありませんわ。私の水魔法で……」


 ジェシカは責任を感じているようだ。頭のぴよ帽子もうなだれているように見える。


「いや、君のせいじゃない。たまたまのきっかけだ」


 まもなく森を越えて堀に到着した。


 ふむ……確かに見た目にはただの透明な水だな。

 ステラが屈んで堀の水に手を入れ、耳をぴくぴくさせ魔力を探る。


「んんー。今は魔力はなさそうですね」


 俺も同じように集中してみるが、何も感じ取れない。

 堀に水を入れたのはかなり前だ。ジェシカの魔力も消えている。


「ちょっとお待ちくださいですわ」


 ジェシカが魔力を集中させ、杖を振るうが――。


「あれ? ヒットしないですわ……」

「にゃー、反応なしにゃ? タイミングが悪いかもにゃ」

「常にキノコが来ているわけでもないのか……?」


 水流や地下の状況によっては十分あり得る。

 しかしモノがないのは少し困った。


「少し時間を空けてから試すか……?」

「それには及びませんよ」


 着ぐるみのナナがお腹をごそごそしている。


「んしょ……。よいしょっと!」


 ナナがポケットから引っ張り出してきたのは――携帯ゲーム機のような長方形の魔法具だ。

 さらに片方の羽で、小さな金属製のトンボを持っている。


「たんさくトンボ君~」


 てってれー。そんな効果音が鳴りそうだった。


「これは水陸両用の魔力探知機です。こっちの魔法具でたんさくトンボ君を操作して――」


 ナナが長方形の魔法具をカチャカチャ弄り始める。ふむ、これは操作機か。

 ボタンが持ち手(着ぐるみの羽)部分に付いているしな。


 ますますゲーム機っぽい――むしろトンボを動かすならラジコンだ。


「便利そうですね……!」

「先代から引き継いだ、伝統ある魔法具さ。さて、これなら……」


 ナナがリズミカルにボタンを押すと金属トンボの羽が動き出した。


「まさか飛ぶんですわ?」

「ふふふ、そのまさかだよ!」


 金属トンボの羽が激しく動き、ナナから飛び立った。

 でもこの金属トンボ、ふらふらしているな……。

 

 俺は落ちかけている竹とんぼを思い出していた。

 

 ステラも似たような感想を抱いているのだろう。

 ナナを不安そうにじっと見つめていた。

お読みいただき、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] きぐるみの形状的に概ねてってれーでしょう ポケットも付いてるし
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ