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【4月コミカライズ発売!】植物魔法チートでのんびり領主生活始めます~前世の知識を駆使して農業したら、逆転人生始まった件~   作者: りょうと かえ


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765/836

765.地下の異変?

 現在、ヒールベリーの村。

 夕方、陽がオレンジ色に染まる時間。ジェシカはナールと一緒に森を移動していた。


「堀までもう少しですわね……」


 夕焼けに樹木が照らされる。ふたりは森の奥へと急いでいた。


「夕方に申し訳ないですにゃー」

「構いませんわ。あの堀は私の魔法で水を満たしたんですもの」


 以前、フラワーアーチャーとの決戦で、ジェシカは空堀に魔法で水を入れた。

 以後、堀の水はそのままになっている。その堀に気になる報告があったのだ。


「夜に活動する冒険者の報告だと、堀の水から魔力が感じられるとのことですにゃ」

「妙ですわね。水を満たしたときは、そんなことありませんでしたわ」

「あちし達にはその辺がわかりづらくて……ですにゃ。でも天秤で水の魔力を調べると、わずかに反応がありますのにゃ」

「直してもらったやつですわね」


 となると、気のせいとは言い切れない。要調査だ。

 ナールがメモを読む。もうすぐ報告の地点に到着する。


「どうですかにゃ? もう何かありますにゃ?」


 ジェシカが移動しながら意識を集中するが、何も感じ取れない。


「まだですわね……」


 ふたりは森を抜けて堀に到着する。見た目には変わっていない。

 堀の水は夕陽を浴びて美しく光っていた。


「むぅ、ここら辺は地下通路とも近いですわ。それと関係があるのかもですわ」


 ジェシカは屈んで堀の水に触れてみる。


「んー、特に何もありませんわね」


 魔法使いは魔力に敏感であるが、何の兆候もなかった。


「にゃー……。気のせいだったりするのですかにゃ?」

「でもナールの天秤にも反応があったのですわ? 気のせいと言うには……あれ?」


 そこでジェシカはほんの小さな魔力を感じた。

 湖で経験を重ねてきたジェシカだからこそ感知できるレベルだ。


「がおー」


 ジェシカは手に持ったライオン頭の杖に魔力を集中させる。

 すると堀の水が渦巻き、魔力の元を探り出していく。


「なにかあったのですにゃ……?」

「ええ、ありますわね。これは――」


 ジェシカが立ち上がって杖を掲げる。ジェシカの杖が咆哮を上げた。


「がおおー!」


 堀の水からいくつもの小さな、赤いモノが浮かび上がってきた。


「魔力の元はこれですわね」


 ジェシカは水の流れを操り、赤いモノを足元に集める。

 近くに集まったことで、ナールにもその赤いモノが何であるかわかった。


「にゃにゃ……! マジカルなキノコですにゃ!」


 ジェシカはひょいと足元の、親指程度の黄色いキノコをつまむ。

 ザンザスのダンジョンで育つキノコだ。食べると頭がパチパチする……。

 気付けに使われるキノコだった。


「ですわね。未成熟な個体ですけれど……」

「本当に小さいにゃ。でも水の中から出てくるなんて妙だにゃ」


 ナールの知識ではこうした魔法的キノコは水生ではなかった。

 湿気を好むものの、水の中で育つことはない。


「可能性としては、この堀がどこかと繋がったかもですわ」


 ジェシカが堀の水を見つめる。宵闇が森を覆いつつあった。


「にゃー……。それはありえますにゃ。この下には謎の通路がありますにゃ。トロッコは通したものの……まだ抜け道があったりするのですかにゃ」

「だとしたらちょっと問題かもですわね」


 ナールとジェシカは顔を見合わせる。ふたりは全く同じことを考えていた。

 早急に地下の調査を進めよう――と。

お読みいただき、ありがとうございます。

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