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【4月コミカライズ発売!】植物魔法チートでのんびり領主生活始めます~前世の知識を駆使して農業したら、逆転人生始まった件~   作者: りょうと かえ


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764.魔王城にて・後編

「もう大丈夫です」

「やっぱり、ステラはいい人なんだぞ!」


 マルコシアスがわっと両腕を上げて――落とす。彼女はこの世の終わりのような顏をした。


「でも他にも虫がいるかもだぞ……」

「……一緒に寝てあげますから」


 ステラはごく自然に答えた自分に驚く。

 でも悪い気は全然しなかった。


 マルコシアスがぴょんと跳ねて喜ぶ。

 子犬みたいだ。


「本当なんだぞ!? ありがとなんだぞ!」

「大したことではありませんしね」


 ステラは荷物の中から大きな布を取り出した。

 翌日も魔王領を進まなければならない。もう休みを取った方がいい時間である。


「さ、寝ましょうか」

「ラジャーなんだぞ!」


 マルコシアスの鎧がふにゃっとなり、つやつやの衣服へと変わった。

 ステラが内心驚く。やはり只者ではない。


「我の鎧は状況に応じて変化するんだぞ」

「便利ですね……。肌触り、良さそうです」


 ステラのなかで触りたい欲が出てくる。


 もふもふ、ふわふわ……そういう可愛い生き物はここにはいなかった。

 ここに来てからというもの、ザンザスのコカトリスが懐かしい。

 そんなステラの視線にマルコシアスがドヤ顔で応じる。


「触ってもいいんだぞ」

「では、失礼して……。ほほう、これはなかなか……」


 ステラは手を伸ばしてマルコシアスの服をつまんで、撫でる。

 つやつやー。それは極上の触り心地であった。


「……いいですね」


 彼女の性質は善だ――とステラは本能的に感じた。

 同じことはマルコシアスもだった。ステラは良さそうな人だ。


 ステラは微笑んだ。それを見てマルコシアスも微笑む。

 なんだか久し振りに、微笑むことができたのだと。

お読みいただき、ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 封印状態になるのはこのあとってことだよね 野球狂になるのは更にその後
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