762.キノコディナー
というわけで、ディナーはキノコ満載の組み合わせである。ステラがどや顔で担当した料理を紹介する。
「大豆とシイタケの炒めご飯、です……!」
「うまそぴよ!」
「わふー。いい香りなんだぞ〜!」
高火力とステラの超絶技法により、パラパラでありながらしっとり……スパイスも少量絡んだ、夢の炒めご飯だ。もちろんおいしい。
「ウゴ、俺は父さんとハム乗せキノコサラダ作ったよ!」
熱したえのきやホワイトマッシュルーム、そこにハムを散りばめたサラダだ。爽やかな味わいと旨味が広がる。
「ぴよ! こっちもおいしそーぴよ!」
「わふふ! 早く食べるんだぞー!」
ということで、夜ご飯に入る。
「「恵みに感謝を!」」
ごま油、しいたけ、香辛料……これで炒めた米がおいしくないわけがない。肉厚なシイタケが良いアクセントになっている。
「うーん、やはりシイタケはおいしいですねぇ……」
「こちらだとあまり食べられていないみたいだがな」
「もったいないぴよねー。はむはむ……」
ディアが小さなスプーンで炒めご飯をすくって食べている。
「シイタケは癖がありますからね。東方のスパイスと合わせるとイケるんですが……」
「確かに。味の主張は強いか……」
ここら辺でのシイタケ産出量は多くないしな。あえて使われることもない……ということだろう。
「でもあたしは好きぴよよ! もっにゅもっにゅぴよ!」
もにゅもにゅ……。ディアに歯はないけど、顎の筋肉は大切だ。噛みにくいものも食べていかないとな。
「わふふ。我も肉厚なキノコは好きだぞ!」
もにゅもにゅ。マルコシアスにはしっかり歯がある。悪魔で犬なマルコシアスがどういう成長を遂げるのかはわからないが……(肉類はハムも食べてる大丈夫だろう、うん)
こうしてキノコディナーは終わり、長い長い旅が本当に終わった。ご飯のあと、ディアとマルコシアスは再び本を開いてアレコレと読み始めていた。
そしてだらだらとソファーで話していたら、久し振りに皆で寝落ちてしまった。まぁ、そんな日がたまにはあってもいいだろう。
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