752.ぴよ集まる
「さぁ、ぴよちゃん……。おいしい草だんごですよ!」
「食べるぴよ!」
「どうぞなんだぞ!」
ステラの差し出した草だんご。
コカトリスはその匂いをかぐと、目をかっと見開いた。
「ぴよーー!!」(いただきまーす!!)
コカトリスは勢いよく、ステラから草だんごをもらう。そしてそのまま、ぽいっと口に放り込んだ。
「ぴよ! 食べてくれたぴよ!」
もしゃ………もしゃ………。
普通のコカトリスより遥かに時間をかけて、草だんごを味わっている。
こんなにゆっくり食べることをするのか、という感じだ。
「ぴよよー!」(おいしー!)
コカトリスがステラに抱きつき、すりすりする。もちろん、ディアやマルコシアスも一緒にだな。
「あふ……! ふふふっ……!」
「ふかふかぴよねー!」
「わっふふー!」
というわけで俺たちも姿を現し、コカトリスにご飯を上げる。主に俺の手から生み出される、野菜だが……。
「ぴよ、ぴよ、ぴよ……」(うみゃい、うみゃい、生きる喜び……)
な、なんだか大げさだな。
しかしそれだけお腹が空いていたということだろう。
と、野菜を食べていたコカトリスが突然、大きな声を出した。
「ぴよー!」(ご飯だー!)
すると、草むらの向こうからむくりとコカトリスたちが立ち上がってきた。
どうやら寝転んでいたコカトリスたちらしい。草の高さのせいで、全然気付かなかった。
「ぴよ」
「ぴよよっ」
「ぴよ!」
立ち上がったコカトリスたちは、全員2メートルのビッグサイズだ。
そのコカトリスたちが、ふもふもっと俺たちに近付いてくる。
「ぴよ!」(ご飯と聞いて!)
もちろん、ご飯を食べたいなら断る理由はない。どんどんお食べ……!!
ということで、俺は次々と野菜を生み出す。
「草だんごも、まだちょっとあるよー」
「「ぴよー!」」
ウッドとレイアは俺の生み出した野菜を、コカトリスたちに供給していた。
「ウゴ、どんどん食べてね!」
「ふふふっ、ぴよちゃんとふれあいタイムです……!」
最後の休憩には、ぴったりだな。
コカトリスたちもお腹が空いているようだし。
というわけで、全員揃ってコカトリスたちを満足させ、たっぷりもふもふさせてもらったのであった。
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