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【4月コミカライズ発売!】植物魔法チートでのんびり領主生活始めます~前世の知識を駆使して農業したら、逆転人生始まった件~   作者: りょうと かえ


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750/836

750.はらぺこコカトリス

 しばらく第1層を進む。ここは本当にのどかだな。ちょうどいい気温、晴れた空、草原。お昼寝の場所としても悪くない。


「ぴよ……。そーいえば、仲間が見当たらないぴよね」

「わふ。たまたまなんだぞ?」


 それにレイアが答える。


「ぴよちゃんはフリーダムなので、出会えるかどうか運ですね」

「ウゴ、やっぱり……。んん? 向こうにコカトリスがいるよ」


 ウッドが草むらの先を指さした。背の高い草のせいで、コカトリスは見えないな。


 ウッドの指し示した方向には、背の高い痩せた木がある。幹の途中に枝はなく、上にしか枝も葉もない。


「見てみるか」

「ですね! 行きましょう!」


 コカトリスについては、ステラは常に積極的だ。とはいえ、無用に刺激しないように、そっと近付くことにするが。


 近寄っていくと、姿は見えなくてもコカトリスの鳴き声が聞こえてきた。


「ぴよー!」


 ん?

 なんだか、やけにコカトリスの鳴き声が荒ぶっているような。


「なんて言ってるぴよ? わかんないぴよ」

「そんなことがあるのか……?」


 ディアがふにっと頭を傾げる。確かにわかるような意味のある鳴き声ではなかったが。


「ステラはわかるか?」

「ええ、あの声は……うぅ……」


 ステラが言い淀む。悲しんでいるようだ。めったに見ないステラの姿だ。今の鳴き声にはそんな深い意味が……?


「お腹を空かせていますね……」

「……いや、お腹を空かせても、ああはならないような」


 これまで野生のコカトリスとは何度も接触してきた。しかしそこでも、


「ぴよ!」(お腹が空きました!)


 くらいだ。

 しかしステラはよよよ……と哀れみの視線をコカトリスに向ける。


「とてもお腹が空いているのです……」

「そ、そうなのか?」


 草をかき分けていくと、ついにコカトリスの姿が見えるようになった。2メートルを超えるビッグなコカトリスだ。


「ぴよ! ぴよ!」


 ゆっさゆっさ。

 野生のコカトリスは、一心不乱に木を揺らしていた。俺たちのことは完全に目に入っていないようだった。


 木は揺さぶられるごとに、葉をぱらぱらと落としていく。それをコカトリスはシュシュッとキャッチする。


「ぴよー」(ふー、やれやれ……)


 もしゃもしゃ。

 コカトリスがその葉を食べる。すると少し落ち着いたのか、コカトリスの言葉の意味がわかるようになった。


「ぴよー!」


 コカトリスが再び、木を揺らす。……さすがにちょっとご飯をあげたくなってきたな。

お読みいただき、ありがとうございます。

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[一言] 飢餓ぴよ
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