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【4月コミカライズ発売!】植物魔法チートでのんびり領主生活始めます~前世の知識を駆使して農業したら、逆転人生始まった件~   作者: りょうと かえ


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735/836

735.ドリアードちから

 その頃、ヒールベリーの村にて。


 ナールとアナリアが広場でのんびりとお茶をしていた。


「エルト様たちは今頃、ザンザスのダンジョンですね……」

「順調ならキノコのエリアにいるはずにゃ」

「あそこはポーションの素材がたくさん採れるところではあるのですが……」


 アナリアが若干うっとりしながら答える。


「でもあそこは冒険者以外は立ち入り禁止にゃ?」

「ええ、そうですね。私も薬師ギルドと冒険者ギルドの合同調査で数回入っただけです」

「にゃー、でも入ったことがあるのにゃ。羨ましいにゃ」


 ナールが紅茶をすすりながら頷く。


「ポーションを取り扱っている者なら、あそこは憧れでもあるにゃ。どこへ行っても不思議なキノコがあるにゃんて……」

「いいですよねぇ……」


 そんな感じで話していると、ふたりの前をテテトカとドリアードたちがえっさえっさと早歩きで通り過ぎていく。


 普段はぽてぽてと歩いているドリアードからすると、大急ぎと言っていい速度だ。


「どうしたのにゃ?」

「見に行きましょうか」


 ナールとアナリアは紅茶セットを置き、テテトカたちを追うことにする。


 広場のそばの道でテテトカたちは立ち止まっていた。


「うーん、はみ出してますねー」


 テテトカたちはお昼寝中のコカトリスを取り囲んでいた。確かにテテトカの言う通り、馬車道にはみ出している。


「あー、寝相のせいですかね」

「たまにごろごろ転がっているにゃ」


 とはいえ、広場から出るコカトリスは珍しいが……。


「すやー……ぴよー、ぐー……ぴよー……」

「起きますかねー」


 つんつん。


「起きませんねー」

「人を集めて動かすにゃ?」

「まー、この子ならうちらで問題ないですよー」


 テテトカたちはすすっとコカトリスの身体の下に腕を入れると、一気に持ち上げる。


「大丈夫なんですか!?」

「はーい、大丈夫ですー」


 テテトカたちはそのままえっちらおっちら、広場の芝生の上へコカトリスを運んでいく。たった数十メートルなので、すぐに終わった。


「んしょー、ほいっと」


 テテトカたちが芝生の上にコカトリスをそっと置いた。コカトリスは深く眠って、起きる気配はない。


「すやー、ぴよー……」

「ではではー、ぼくたちはこれでー」

「じゃねー」


 テテトカたちはぽてぽてと散開していった。アナリアとナールは顔を見合わせる。


「なるほど、ぴよちゃんの寝相の裏にはこんなことが……」

「すごい早業だったにゃ」


 それにしても、とアナリアは思った。あの小さい身体のどこにそんなパワーがあるのだろうか……。それとも地面に埋まり続けると、大地のパワー的なもので、ああいうふうになれるのであろうか……?

お読みいただき、ありがとうございます。

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[一言] 冒険者一同「土風呂ぱうわー!」
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