724.お昼休み
その頃、ヒールベリーの村にて。
すやすやお昼寝タイムのため、コカトリスたちが広場に集まってきた。
「ぴよ」(今日も運動したぜ)
「ぴよよっ!」(これでたぷも減るはずだね!)
そんなことを言い合うコカトリスたち。しかしその羽にはテテトカたちからの戦利品――もとい、農作業でゲットしたりんごやらオレンジが握られていた。
「ぴよっぴよ〜」(じゃあ、今日も寝そべりながらおやつ食べよ〜)
「「ぴよーっ!!」」(さんせー!!)
ふかふかの芝生を選び、ごろごろとコカトリスが寝転がる。そして手に持ったフルーツをもぐもぐ……。
「ぴよぅ……」(うーん、甘さと酸味のバランスが良き……)
同じく昼休みのナールらニャフ族たちがそんなコカトリスたちに近寄っていく。もちろんもふもふするために。とはいえニャフ族もふわもっこではあるのだが。
「にゃーん。今日もコカトリスと一緒にのんびりするにゃ」
「いいですにゃー!」
「リフレッシュですにゃん!」
コカトリスたちは誰でもウエルカムである。しかもコカトリスたちはよく知っているのだ。ニャフ族とのんびりすると、利点がある。
「ぴよぴよ……」(そこそこ……)
「はー、ふわもっこにゃ……。触っているだけで幸せにゃん……」
ニャフ族が肉球ハンドでコカトリスをもみもみ、ふみふみとマッサージする。
それを寝転がっているコカトリスたちが至福の表情で受け入れていた。
「ぴよよ……」(いい……)
「ぴ……よ……」(寝ちゃう……)
もちろんニャフ族もふわもっこなコカトリスの身体は昼寝場所として最適である。
「お昼時間の終わりまで、ちょっとだけにゃ……」
「今日は天気も良くてほわほわにゃ……」
ニャフ族がコカトリスに抱きつきながらお昼寝を満喫する。それを見た冒険者たちは……。
「はぁー、いいですねぇ……」
「見てるだけで和むよなぁ」
そんなことを言いながら、ニャフ族とコカトリスの前を通り過ぎていく。そして何気なく見回した視線の先に――ドリアードが日向ぼっこをしていた。
ごくり。冒険者たちが顔を見合わせた。こんないい天気なのだ。昼に息抜きをすれば午後の仕事も捗るというもの。
「……昼だけど行くかぁ」
「ああ、俺たちには土風呂があるからな!」
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