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【4月コミカライズ発売!】植物魔法チートでのんびり領主生活始めます~前世の知識を駆使して農業したら、逆転人生始まった件~   作者: りょうと かえ


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722/836

722.第1層中間地点へ

「ふむ……」


 ここがいままで何度も話に聞いた、ザンザスのダンジョン第1層か。感慨深いな。


 とはいえ、見たところは何の変哲もない平原である。ススキが生い茂り、ところどころ化石樹等があるだけだ。


「ぴよー。ひろびろぴよね」

「わふ。空も綺麗に晴れてるんだぞ」


 確かに見た限りではただの平原である。しかし身体にまとわりつく魔力は隠しようもない。これまでに行った、どこよりも濃密だ。


「これだけの魔力があってコカトリス以外いない、というのも不思議だな……」


 俺の隣のステラが答える。


「ええ、本当に。ここは強い魔力をダンジョンの維持そのものに使っているようで……」

「1000年間もほぼ変わらない、というのも頷けるな」


 そのまま俺たちは第2層への門へと向かう。そこまでに1回休憩を挟む予定だ。


 その休憩でディアとマルコシアスを着ぐるみの外に出して、じかにダンジョンを体験してもらうつもりだ。


 ナナがお腹のポケットをごそごそしている。


「うーん、日差しが……。ここはいつでも太陽光が強すぎる」


 ナナはぽんっと漆黒の日傘を取り出した。どうやら対策は万全らしい。


「ウッドは2回目だが、どうだ?」

「ウゴ、ここは落ち着く……。天気がいいから」


 ウッドとナナの感じ方は対照的だな。確かにウッドにとって日差しは大切だ。


 ステラが最後尾のコカトリスたちの様子をうかがう。


「ぴよちゃんたちは……」

「ぴよ」(ススキは味がしない)

「ぴよっぴよ……!」(村に比べるとまぶしめ……!)


 ……。どうやらあまり感慨はないようだな。まぁ、どこにいってもそんな感じだから、驚くことでもないが。


 しかし平原を歩いていても、他のコカトリスには出会わないな。


「意外とコカトリスに会わないんだな」

「ご飯のあるところが離れていると、出会う確率はかなり低くなりますね。今がそうした時期のようです」


 ススキをかき分けながら進んでいくと、小さな川に出た。これがコカトリスたちの飲み水になる川だな。


「もう少しで休憩地点だな」

「ええ、この川を上ったところに……」


 そこでステラがはっと川の上流に視線を向けた。


「なにぴよ?」

「異常があったんだぞ?」


 ディアとマルコシアスも着ぐるみの中からステラの様子を察する。


「川になにか――」


 そこで俺は絶句した。


 どんぶらこ、どんぶらこ。


 仰向けのコカトリスたちが、川幅いっぱいに流れてきたのだ。

お読みいただき、ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] え?海ピヨ砂ピヨの次は川ピヨ?www
[一言] ぴよ階層だからそういうこともあるぴよ
[良い点] どこかのお兄ちゃんが観察してそうですねー(・∀・*) 一緒に流れてみたいですw
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