717.懇親会が終わって
挨拶と懇親会が終わるともう日が落ち始めていた。それからホテルの宿泊部屋に移動し、俺はゆっくりと腰を落ち着けていた。
「ふぅ……」
ナナとレイアとはすでに別行動だ。今日はこのまま休み、明日はいよいよダンジョンへと挑む。
「疲れました、ね……」
「初対面の人も多かったからな」
ステラもソファーの上でぐてーっとしている。やはりステラも消耗したらしい。ディアとマルコシアスはウッドの膝に座って、色々と興奮気味に話をしている。
「ぴよー。あの4人目のもふっとしたのがワフ族ぴよ?」
「そうなんだぞ」
話題にしてるのは、ザンザスの銀行家で犬っぽい種族の人だな。ニャフ族よりも背は高かったが、もふもふ度合いはほとんど同じだった。
「マルちゃんとは違うぴよ?」
「我は二足歩行しないんだぞ」
「ウゴ、あとは魔力も差があったかな? マルちゃんはけっこー魔力あるよ」
「なるぴよ!」
さっきの懇親会で会った人たちについて、思い出しながら話し合ってる。こうして終わったあとも興味を持って話題にしてくれるなら、子どもたちを連れてきた甲斐があったというものだ。
「でも魔力がなくなって二足歩行したら、マルちゃんもワフ族ぴよ?」
「違うんだぞ」
「なんでぴよ?」
そこでマルコシアスが人型へと変化した。
「我はこうして変身もできるんだぞ」
「なるぴよ!」
「わふ。今日は色々と学べたんだぞ」
「ウゴ、えらいえらい!」
ウッドがマルコシアスの頭を撫でる。マルコシアスは気持ちよさそうに目を細め、それを受け止めていた。
「ウゴ、ディアも撫でる」
「やったぴよー! おにいちゃん大好きぴよよー!」
……ふむ。まだまだ子どもたちは元気いっぱいだな。やっぱり子どもには謎のパワーがあるものだ……。
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