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【4月コミカライズ発売!】植物魔法チートでのんびり領主生活始めます~前世の知識を駆使して農業したら、逆転人生始まった件~   作者: りょうと かえ


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712/836

712.大通りにて

 それから俺たちは次の目的地、ザンザスの冒険者ギルドに向かった。


 さすがにここまで来て、ザンザスの冒険者ギルドを見学しないわけにはいかないからな。


 博物館の表側から出ると、まさに人・人・人だ。ディアとマルコシアスをお腹ポケットに入れておいて良かった。


「いつもならお昼寝の時間だが、眠かったりしないか?」

「ぴよっ。だいじょーぶぴよ! おめめパッチパッチぴよ!」

「わふふ! おめめギンギンなんだぞ!」


 ディアとマルコシアスが首をフリフリしながら、ザンザスの街並みをきょろきょろ見ている。

 確かになにか面白そうなモノはないかと、ふたりは真剣だった。


 ステラがコカトリスたちに声をかける。


「ぴよちゃんたちも大丈夫ですか?」

「ぴよ……!」(まだ眠くない……!)

「ぴよよ!」(お昼寝タイムはまだほんのり遠いよ!)


 コカトリスたちは若干眠そうだな……。しかし冒険者ギルドではしっかりお昼寝タイムも用意されている。問題はないだろう。


「いらっしゃいいらっしゃい、ザンザス印のハタキはいらんかねー。コカトリスと同じ黄色だよ〜」

「街中で喉が乾いたら、オレンジジュースはいかがかねー。今ならワンサイズおまけだ〜」


 大通りでは左右で露店が軒を連ねている。気がついたが、ザンザスでの商売では高確率で黄色が絡んでいるな。黄色い布、黄色い服、黄色い飲食物……。


「ウゴ、さっきのハタキは本当にコカトリスの色に近かったね」

「そうだな、よく研究している……」


 露店で本物のコカトリスの羽毛を取り扱っている可能性はない。着色したモノに違いないだろうが、色合いはかなり本物だ。

 さすがに触れば残った魔力や感触でわかるだろうが、遠目ではそれっぽく見える。


「ぴっぴよー。コカトリスの大道芸はいかがー?」

「マジぴよ?!」

「わっふ!!」


 ディアとマルコシアスが素早く声に反応し、首を向ける。


 そこではぴよ着ぐるみが大きなボールの上で器用にバランスを取っていた。


「ぴよ、ぴよ……さぁさ、ホンモノのコカトリスもこれほどバランスは良くあるまい。世にも珍しいボール乗りだ!」


 なるほど……。確かに俺の着ぐるみスキルだとアレは難しそうだな。熟練の芸である。


「ぴよ……足さばきすごぴよ」

「わふふ、落ちそうで落ちないんだぞ」


 こうした大道芸人はヒールベリーの村では珍しい。やはり大都市ならではということか。


 見物客もはらはらしながら、着ぐるみのバランス取りを見守っている。


「さてさて、よっと……誰かこのバランス取りにチャレンジしてみたい人はいるかな? もちろん支えますからご安心。土産話にどうぞおひとつ……おや? そこの着ぐるみのご一団、どうです? やってみませんか?」


 ボールから降りた大道芸人ぴよが俺たちをじっと見つめながら、羽で招いている。


「誰のこと言ってるぴよ?」

「どう見ても我らなんだぞ」


 そこでコカトリス(本物)がすすっと前に出る。


「……ぴよ?」(……乗ってみろって?)


 大道芸人ぴよが声をかけたのは、本物のコカトリスじゃないか……!

 そしてすでに前に出たコカトリスは瞳をきらきらさせていた。

お読みいただき、ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] >ホンモノのコカトリスもこれほどバランスは良くあるまい あっ(察し)
[一言] 本家本元元祖本物による玉乗りチャレンジ そういえばぴよぐるみで活躍してた忍者の人元気ですかね
[一言] 更新有り難う御座います。 コカトリスに中の人など居ない!?
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