表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【4月コミカライズ発売!】植物魔法チートでのんびり領主生活始めます~前世の知識を駆使して農業したら、逆転人生始まった件~   作者: りょうと かえ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

634/836

634.どるどるぅー

 俺のほうは壁画。ヴィクター兄さんのほうは祭壇と地面の下からの魔力か。


 トマトとサボテン煮込みを食べながら作戦会議だ。


 俺とステラがメモした壁画をヴィクター兄さんに見せる。


「その祭壇はこんな形だったか?」

「ん? いや――少し違うな」

「あれ? 違うのですか……!?」


 ヴィクター兄さんが壁画のメモをくるくると回転させながら見ている。


「この壁画がマニュアルだとしても、このボタンやここの出っ張りがない。さっき見たから確かだ」

「ウゴ、そうだね……。塔の中で見たのと、形が結構違うよ」


 マルコシアスとスプーンで食べあいっこをしながら、ディアが首を傾げる。


「もにゅもにゅ……。ぴよ、つまりどーいうことぴよ?」

「わふ。可能性はいくつかあるんだぞ。祭壇が他にまだあったとかだぞ」

「ぴよ! そーかもぴよ。賢いぴよね!」


 マルコシアスの言う通りだ。

 塔は崩れており、全てが昔のままではない。


 壁画と祭壇が無関係な可能性もあるが、基本的な形はよく似ている。

 かつては存在した祭壇が今はもうない――そういう可能性も当然あり得る。


 ナナがトマト煮込みをスプーンでくちばしに突っ込みながら、


「んーと、他に祭壇はないんだっけ?」


 ヴィクター兄さんが首を振る。


「ないな。調べられるところはこれまでにあらかた調べているはずだから、目に見えるところにはない」


 レイアが少ししょんぼりしている。


「空振りだったかも……ですか」

「もう少し調べる価値はあるかもだが。魔力の動きも気になる」


 そこで一心不乱にトマト煮込みをかきこんでいた砂コカトリスが、動きを止めた。


「……ぴよよ?」(……んー?)


 何やら地面を見つめている。


「ぴよ……。地面の下がどるどるぅーしてるぴよね」

「どるどるぅーですか……。前よりも強くなっているのです?」

「ぴよ! 荒ぶって、荒ぶって……ぴよ」


 ディアと砂コカトリスが同時に崩れた塔のほうを見上げた。


「うん?」


 つられて俺たちも塔を見上げて――声を出す。


「……黒い雲だ」


 いままで雲ひとつなかったのに、いつのまにか黒い雲が塔の上部を覆っていた。


 さらに風が吹き込み始めている。砂がふわっと舞い上がり始めていた。


「魔力も……!」


 ステラが厳しい目を雲に向ける。

 それは俺も感じた。強い魔力が塔の上に集まり、また雲になっているのだ。


「ぴよよ」(とりあえず砂が入る前に食べ切ろう)


 砂コカトリスは煮込みを食べるのを再開したが……これはまた砂嵐が生まれるということなのか?

お読みいただき、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 更新有り難う御座います。 ピヨ達はブレないなぁ?
[一言] マルちゃんが思いの外わふっとしてるー(・∀・*) 狼ってより、んー?室内犬的な。
[一言] 魔力やら砂嵐やらはそれはそれとして とりあえずダメになる前に食い切ってしまえという姿勢 砂漠に生きる砂ぴよの知恵
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ