623.遺跡への計画
それから全員で少し話をした。
砂嵐が収まるのを朝まで待って、ダメなら次の手を打とう。
とりあえず遺跡に向かい、そこで原因を探る。
他の人に任せる手もあるが……残念ながら俺たちの一行が最大の戦力らしい。
「どのみち砂ぴよちゃんに案内を頼まないと行けないですものね」
「ウゴ、砂ぴよにお願いだね!」
遺跡内のきちんとした地図がないので、現地まで砂コカトリスを連れて行く必要がある。
だとするとディアは必要だし、それなら俺たちがついて行かないとな。
「ぴよ! この子もオッケーしてるぴよ!」
ぐっとディアとディアが乗っている砂コカトリスが羽を掲げる。
「ぴよよー!」(不肖、このわたしが案内務めさせて頂きますー!)
ノリノリだな。
「地下の抜け道を出れば、俺の風魔法とばびゅーんで運べる。最大速度なら問題なく日帰りのはずだ」
ヴィクター兄さんが床に大きな地図を広げ、うつ伏せになりながらガリガリと計算をしている。
その地図を見て、俺は北西の遺跡に注目した。
「遺跡がかなり広いな……。縮尺が正確なら、この宮殿よりも大きいことになるぞ」
「ああ、そうだ。砂ぴよの記憶と案内がなければ何日もかかるだろう」
やはり砂コカトリスなしには無理そうだな。
その後も細かなところを詰めて、俺たちは寝ることにした。
灯りを消して、砂コカトリスたちと一緒に寝る。
ごうごうと夜になっても砂嵐は収まらない。
雷がないだけ、マシであるが。
「とんだことになってしまいましたね……」
さすがに夜は着ぐるみを脱いで、ウッドの綿にくるまっている。ステラは俺の隣でうつ伏せの砂コカトリスの上に乗っていた。
なでなで……。
腕を伸ばして砂コカトリスの頭を撫で回している。砂コカトリスはすでに( ˘ω˘)スヤァしていた。
なお、レイアも同じようにしている。ヴィクター兄さんもどこかに埋もれているはずだった。
「ぴよー。遺跡に行って、どうするぴよ?」
「まぁ、現地を見て……手掛かりがあればいいが。砂嵐の原因究明のな」
「もし発生装置みたいのがあれば、打開策も見つかるかもですね」
「そうだな」
色んなことがあって、存外に眠い。
話が途切れると俺の意識はあっさり眠りへと落ちていったのであった。
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