表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

604/834

604.黒い砂嵐

「むぅ……たしかに、また砂嵐が……」


 ステラが彼方に目をやる。

 砂嵐は……来ているな。さっきに比べるとかなり黒い砂嵐だ。


「こちらに来ますでしょうか?」


 もふふふふ。

 レイアがぴっと塊から出た羽を触りながら、ステラに問いかける。

 さすがレイア。隙あればもふってる。


「じぃー……そうですね、徐々に近づいています」

「じゃあ宮殿に戻らないとダメか」

「ぴよ! この子たちも入れてあげて欲しいぴよ!」

「わふ。置いてけぼりはかわいそうなんだぞ」

「もちろん、コカトリスたちがいいなら……大丈夫だ」

「ウゴウゴ、よかった!」


 学者先生たちがアレコレ言うかもだが……まぁ、ヴィクター兄さんも説得してくれるだろうし。


 黒い砂嵐はこちらへ近づきつつある。


「もし反対する人がいても物理的に解決できますからね」

「深くは問わないんだぞ」

「ぴよ! たのもしーぴよ! じゃあ、ちょっと聞いてみるぴよね!」


 ディアが砂コカトリスとぴよぴよ会話を始めた。


 ステラはすすっとレイアの隣に移動している。

 速い。


「ふむ……。しかしこんなにこんもり重なるものなんだな」

「いつも、こうしているわけではありませんが……やはり触り心地はぴよちゃんですね」


 ステラがぴこっと塊から出た羽をもみもみしている。レイアと並んでだな。


「ウゴ、風がこっちに吹いてきてる!」


 ウッドがこちらに呼びかける。

 残念ながら俺は着ぐるみなので、よくわからない。


 しかし……ざわっと背中があわだつ。


「……これは魔力か? あの砂嵐から……」


 間違いない、こちらに近づいてる砂嵐からだ。

 そこから魔力を感じる。

 俺の言葉にステラも頷いた。


「ええ、私も……感じました。どうやら砂の精霊、あるいはもっと別の魔物みたいですね」


 そこにヴィクター兄さんとナナがぽよぽよと合流してきた。


「コカ博士、ナナ。砂嵐がまた来ているんだ」

「あっちの黒いのね……。んう? なんだか妙な感じだね」

「砂の精霊のような感じだが、あそこまで黒くはないな。数が多すぎる」

「……異常なのか?」

「砂の精霊が集まっても、もっと小さい嵐だ。それに色合いが黒い。砂の下の土が混じっているようだが」


 そこまで話をしたとき、砂嵐のほうから雄叫びが聞こえてきた。


「グオオオッッ……!!」


 渦巻く砂嵐が動いた。

 まるで生きているかのように。


「なっ……!?」


 あっという間に砂嵐が別の姿に変わる。

 それはまるで、巨大なドラゴンのようであった。

お読みいただき、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 次は竜ですか。 やきう回、バットがうなりをあげるんですね。
[良い点] ふむ…ドラゴンはまだだったか… 野ボールが始まる…
[一言] 更新有り難う御座います。 ……中にt……日中、ドラゴンさんが葬らんされるのか……。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ