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571.レベル3

 ディアはぴよぴよしながらテーブルの上にいる。


「ジュースはレベル1って感じぴよね」

「ウゴ、なんとかストローでいけるからね」


 そうだな、前回も飲み物はストローで摂取した。


「まぁ、前回のおさらいということで……!」

「そうだな……。まずはトマトジュースからにしよう」


 俺はすすっとストローをトマトジュースのコップにセットする。よどみなく、流れるように飲みたいところだ。


「ぴよ。このジュースは村のトマぴよ?」

「村のトマトですね。ナナも毎日飲んでいるそうです」


 俺はそのままストローに口をつけ、ゆっくりトマトジュースを飲んでいく。


 ごくごく。


 うーん、デリシャス……。

 朝のトマトジュースは体に効く。すぐに健康になった気分になれるのだ。


 ストローから口を離し、次の食べ物に向かう。

 レベル2の刻みトマトだな。


「残ったのは我がおいしく飲むんだぞ」

「もちろん構わないぞ」


 マルコシアスに残りのトマトジュースを託し、俺は刻みトマトを見る。

 スプーンかフォークに乗せて食べるタイプだな。

 まだ一口サイズなので……大丈夫だが。


 俺はフォークの上に刻みトマトを乗せて、ゆっくりと口に運ぶ。


「ぐいっといくぴよ。ぐぐいっとぴよ」

「ドキドキ……!」

「そんなに見つめられると食べづらいんだが」

「わたしたちのことは、どうか気にせず……!」


 平常心、平常心……。

 俺はぐむっと着ぐるみの奥に刻みトマトをツッコむ。


「……おいしい……!」


 適量な塩。それにステラの神がかったカット。それに着ぐるみ姿で食べるという非日常。

 それがトマトの味をこれ以上ないほど引き立てていた。……多分。


「ウゴウゴ、よかった」

「ごくごく……。父上も上達してるんだぞ」


 ここまでは問題なし。

 スプーン一口分しかないからな。

 問題はこのトマトソーススパゲティだが。


「レベル3ぴよね」

「ナナを見ていると、フォークに巻きつけてぐっと一息みたいですね」

「なるほど……」


 俺はその通りに、熱々スパゲティをソースと一緒にフォークへ巻きつける。


 ……着ぐるみの羽が大きくて、感覚が掴みにくい。


 ぐぬっ、ぐぬぬ……。


 これ、なかなか難しいな!?


 しばらくやってみるが……優雅な手つきじゃないな。ここから練習が必要だ。


「わたしもチャレンジいたします……!」


 ふっと振り向くと、そこにはいつの間にか着ぐるみを着たステラが立っていた。


 そしてディアとマルコシアス、ウッドも黄色布を装備している。


 ……黄色いが多くなってきた。

お読みいただき、ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] プロのぴよぐるみマイスターだと、〝ヒュゴゥ!〟という音ともに嘴に近付けた食べ物が消失します
[一言] これが黄巾の乱の始まりだという※ウソです
[一言] 更新有り難う御座います。 ……こぅ、お互いに食べさせ合う羞恥プレイ……。
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