表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

563/834

563.トロッコの移動

 エルト達が食事へ出かけた後、いよいよ魔導トロッコが地下へ移動になる。

 イスカミナがご機嫌に鼻唄を歌いながら、解体していった。


「もっもっもっもっもぐー」

「はわー。どんどんバラバラになっていきますねー」


 テテトカが草だんごを食べながら、感心する。


「せっかく組み立てたのにいいんですかー?」

「大丈夫もぐ! 元々、魔導トロッコは解体と組み立てがセットもぐ!」


 イスカミナがスパナをくるくるっと器用に回す。


「鉱脈も行き止まりだったり、もう鉱石がないこともあるもぐからねー」

「あー……ずっと同じ方向に進むわけじゃないんですねー」


 テテトカはふむふむと納得した。


 農業も同じ場所で同じようにやり続けると収穫量が落ちることがある。

 ヒールベリーなんかはその典型で、少しずつ植える場所を変えないといけない。

 当然、それを織り込んだ農具や収穫の配置が必要になる。


「ぴよー?」(これは運んでも大丈夫ー?)


 コカトリスがバラバラにされた魔導トロッコをペチペチする。


「もう運んでもいいかだってー」

「そっちにあるのは大丈夫もぐ!」


 ぴよ機関車もぴよシートも解体され、シートの上に置かれていく。


「大丈夫だってー」

「ぴよよ!」(よし、運ぶぞー!)

「「ぴよー!」」(はーい!)


 ぴっぴよ、ぴっぴよ。


 コカトリスがせっせとバラバラにされたパーツを運び始める。

 人間の大人だと数人必要な重さのパーツも、コカトリスなら片羽で担いでいけるのだ。


「ぴよ……」(ふかふか……)

「むっ!」


 コカトリスがシートの手触りに気を取られている。

 危ない。コカトリスは働き者でパワフルだが、そのやる気がいつまで続くのかは未知の部分がある。


 テテトカがすすっと気を取られたコカトリスの進路に移動する。


「ぴよちゃん、ここに草だんごがありますよー」

「ぴよ!」(ダイエットの毒ですよ!)

「そしたら半分だけでもー」

「ぴよよ!」(なんと! それなら、まぁ……食べるのもやぶさかじゃないかもしれない……。はっ! これを運ばないと!)


 テテトカの誘導でコカトリスは誘惑を振るい払った。


「……大変もぐね」


 しかしコカトリスのパワーが凄いのは事実だ。

 たまに作業が止まるが、そのたびにテテトカがうまくコカトリスを正気に戻していく。


 もちろんコカトリスや自分も草だんごをもぐもぐしながら。


「ぴよぴよ」(おやつおやつ)

「まだまだありますよー」


 特使とエルトが食事に行っている間に、ぴよトロッコの移動はちゃんと終わったのであった。

Win-Winの関係ってやつだぞ!✧◝(⁰▿⁰)◜✧


お読みいただき、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 馬の鼻先に人参ぶら下げるより ピヨの進行先で草団子持ってる方が絵面も可愛いし効率的ですなwww テテトカちゃんやるなあ
[一言] 更新有り難う御座います。 ○ィアゴ○ティーニ。 [魔動トロッコを造ろう] 初回パーツはピヨシート!
[一言] 程度の差はあれ大抵がぴよに籠絡される中で ぴよあしらいの上手い女がいる
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ