表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

546/834

546.砂を探して

 ある日のこと。

 ディアとマルコシアスはぴよぴよわふわふとお散歩に出かけていた。


 広場では野ボールしている人達がけっこういる。


「駆け足なら負けませんー!」


 ラビット族もさっそく参加している人がいるようだ。


 木陰ではコカトリスがぴよっとお昼寝をしていたりする。


「ぴよ。今度いく、砂漠ってどんなとこぴよねー?」

「我もよく知らないんだぞ。砂漠は記憶にないんだぞ」

「かあさまは砂浜みたいなものって言ってたぴよけど……あれがずっと続いているとか、すごぴよねー」


 ぴよぴよ。

 この前の海は港町で、それほど砂浜が広かったわけではない。

 しかも季節は春。砂漠とはまた違った。


「わふ。砂はもしかしたらテテトカが持ってるかもなんだぞ」

「まじぴよっ!?」

「農業用に砂も仕入れてるかもだぞ」


 あるいは土風呂用に……。

 マルコシアスはそこまで言わなかったが。


「じゃあ、れっつごーぴよー!」


 ◇


 テテトカは大樹の塔の前で水やりをしていた。


「ふんふーん」


 ディアとマルコシアスが訪ねてきた訳を説明する。


「砂ですかー?」

「砂ぴよ!」

「はー、それなら塔の中にありますけどー」

「本当ぴよ!?」

「今、使ってますけどー、来ます?」

「……使っている、だぞ?」

「とりあえず行くぴよよ!」


 そうして大樹の塔に入っていく。


 奥まった作業場に、砂が満杯の大きな箱があった。

 真っ白で美しい砂である。


「ぴよ!」(よっすー!)


 そこにコカトリスが体半分埋まっていた。

 羽をぴこっと掲げて挨拶をしてくる。


「ぴよ! ……これは先客ぴよね!」

「同じことを考えてるぴよがいたんだぞ」


 テテトカがぽてぽてと箱の下を覗く。


「加熱器はだいじょーぶですー?」

「ぴよ!」(問題なっしんぐ!)


 ぐっと羽でサムズアップして答えるコカトリス。


「加熱してるぴよ?」

「なんでなんだぞ?」

「砂を綺麗にしてるんですー。こうしたほうがちょっといいんですよー」


 テテトカは語る。


「外からの土や砂は、実は綺麗じゃないこともあるのでー……」

「ぴよ! じゃあ、そこのぴよは……」

「ぴよっ!」(草だんごで雇われたっ!(きりっ))

「ということなんですー。ふつーの土はぴよちゃん、乗り気じゃないんですが……砂はいいみたいで」

「なるほどなんだぞ。この砂を農業に使うんだぞ」

「そですー。こう、まぜまぜして使いますー」


 ふむふむとディアが頷く。


「それで、この砂には入ってもいいぴよ……?!」


 テテトカはひょいと草だんごを食べる。


 もぐもぐ……。


 絶妙なタイミングの草だんごにディアが息を呑む。


「ごくぴよ……」


 ……ごっくん。

 草だんごを食べたテテトカが口を開く。


「いいですよー」

お読みいただき、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ・草だんごを食べたディアが口を開く。 →いつのまにディアも食べたん?
[一言] 更新有り難うございます。 流石のご都合主義!?
[一言] 本家の砂ぴよが来る前に砂ぴよががが 存分に用事を済ませて 余裕を持って創作に取り組んで おくんなまし
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ