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524/834

524.宿舎へ

 ぽにぽに。


 俺はディアとマルコシアスを抱えながら、堤防からコカトリスの宿舎へと向かう。


「信頼はしていたが、安心した。海コカトリスはのびのびと暮らしているようだな」

「ああ、最初は少し遠慮もあったかもだが……」


 今はすっかり村に馴染んでいるように思う。

 コカトリス姉妹や地下コカトリスのおかげだ。


「ぴよ! 仲良し、大事ぴよ!」

「その通りだ。コカトリスは仲良し種族だからな」

「わっふ。そういえばコカトリスが喧嘩しているのも見たことないんだぞ」

「そうだな……」


 俺は普段のコカトリス達を思い浮かべる。


「おおらかで、お互い様……の精神があるからかな」


 ロウリュを体験したコカトリスのうち、1体がねむねむ状態だったが、他は気にしてなさそうだった。

 どうやらローテーションでねむねむ状態になるみたいだからな。


「そうだな、コカトリスはお互いに助け合う。だいたい同じ感じでゆるふわだからな」


 ヴィクター兄さんから見てもそうか……。


「おやー? ご機嫌うるわしゅー」

「ぴよよっ!」(こんにちはっ!)


 大樹の塔の前で、コカトリスの肩に乗ったテテトカと出会う。


「ご機嫌よう、テテトカ」

「こんにちはぴよよ!」

「こんにちはなんだぞー」


 ヴィクター兄さんとテテトカは初対面だったか。

 ばびゅーん便のときはすぐ次へ行ってしまったし。


「こちらはドリアードのリーダー、テテトカだ。こちらは……コカトリスにとっても詳しい人だ」

「おー……」


 テテトカがごそごそと草だんごを取り出し、もぐもぐ食べ始める。


「もぐもぐ。ララトマの姉のテテトカですー。よろしく〜……ごっくん」

「コカトリスに詳しいコカ博士だ。よろしく」


 ぴよぴよ。

 ヴィクター兄さんは動じることなく、羽をパタパタ動かす。そして、俺にものすごく顔を近づけてきた。


 ……近い。


「ドリアードのリーダーということは、草だんごにも精通しているのかね?」

「ああ、一番の作り手だが……?」


 もっもっもっ。

 テテトカはもごもご草だんごを食べている。


「むぅ、時間があれば……。その草だんごはもらうことはできるのかね?」

「お土産屋さんで買えますよー」

「あるだけもらおう」

「全部買い占めるのかっ!?」

「興味深い代物だからな。問題ない、傷む前に屋敷の人間にばら撒く」

「大人買いってやつなんだぞ」

「ぴよ……! 買い占めは大人買いともいうぴよね。学んだぴよよ!」


 ディアの語彙が増えたが……。

 まぁ、いいか……。


 そのままぴよ&テテトカを連れて宿舎に到着する。


 宿舎にはまだたくさんのコカトリス達がいたな。

 だいたい、寝っ転がっている。


「ぴよぴよ……」(もみもみ……)

「ぴよよー」(ああっ、そこそこー)


 マッサージをしたり受けているコカトリス達もいれば、丸まって寝ているコカトリスもいる。


「ぴよ……」(ぐぅ……)


 ヴィクター兄さんがじりじりとコカトリスに近寄っていく。

 さすがに驚かせる気はないようだ。


「海コカトリスだけでいいんだが、少し触っていってもいいか? 健康度合いを知りたい」


 ……。

 本場の博士だから、正確な見立てではあるな。


「ぴよ、健康は大切ぴよね! 聞いてみるぴよよー!」

信頼と安心の触診なんだぞ✧◝(⁰▿⁰)◜✧


お読みいただき、ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] いわゆるグルーミングとは違うんですかね?ぴよのマッサージ
[一言]  変態だ。おーまーわ-りさーん! (ぴよの)体をまさぐっている変なぴよが~!
[良い点] なるほど…こうして『月刊ぴよ』の海コカトリス特集が充実されていくんですね! (個人的な趣味嗜好の裏事情は、大人対応で見て見ぬふり(笑) [気になる点] 草だんごって、焼いたら美味しさ成分…
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