表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

506/834

506.サウナの提案

「サウナ、ですかにゃん?」

「サウーナ?」


 ナールとテテトカが首を傾げた。


 ……むっ。

 この反応は聞き覚えがないか。


 この世界にはサウナがないのか、それともこの地方にないのかまではわからんが。


「申し訳ありませんにゃ、サウナとはどういうものですかにゃ?」

「食べ物ですー?」

「……いや、突然悪かった。サウナというのは――」


 俺はこれが前世の知識とバレないよう、気を付けながら説明した。


 サウナは入浴施設のひとつだ。

 高温の部屋に入り、汗をかく。そして水などで洗い流す。

 効能は血行を良くしたりとか……。この世界なら魔法具で再現できそうなのが良い。

 それなりにお金はかかるかもだが、試しにやってみるのは悪くない気はする。


 どこの世界にも美容と健康にはニーズがある。

 現に土風呂は大人気なわけだし。


 説明を終えると、ナールがふむふむと頷いた。


「にゃー。なるほどですにゃ……! 面白いですにゃ!」

「蒸すわけですねー。土風呂に似てるかもー」

「いいお考えですにゃ。……土風呂が苦手な人もおりますにゃ。そういうひとにアピールできるかもですにゃ」

「ニャフ族のかたとか、そういう人もおりますよねー」

「……そうなのか?」

「あちしやブラウンは好きですにゃが、毛が土に埋まるのが苦手な人はいますにゃ」


 言われると、そりゃそうか。

 そういえばコカトリスも土風呂は遠目に見るだけだな。入っているのは見たことない。

 ため池にはダッシュでダイブしていたのに。


 ふむふむ……毛が問題だと言うなら、サウナならどうだろうな。

 コカトリスもみっちり入ってくるだろうか。


「それと土風呂は雨風が強い日はハードになりますねー」

「ですにゃ。そのサウナというものがあれば、さらなるアピールになりますにゃ」

「もちろんメインは土風呂だ。だが土風呂で取りこぼした客層を掘り起こせるなら、悪くないと思う」


 俺の言葉にナールが目をきらきらさせる。

 これは商売人の目だな。


「うまく行きそうな気がしますのにゃ!」


 テテトカも俺を見上げて楽しそうにしている。


「サウナのお部屋と土風呂は両立しそうですねー。頭までほかほかー。お水ぱしゃぱしゃー」


 その言葉に、ナールが即座にツッコんだ。


「いきなりハードモードすぎますにゃん!?」

お読みいただき、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 寒い地域ならサウナとか普通に有りそうなもんだが・・・ そういう所に行商した事なかったんかね?
[一言] 更新有り難う御座います。 ……サウナにミッチリとコカトリスが……。
[良い点] サウナはいいよ! [気になる点] 前に前世にあった米とかは作らない的な描写があった気がする [一言] サウナが出来るんなら米とか味噌、醤油なんかも解禁してもいいんでない?私は日本人なので出…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ