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490.堤防完成

 魔法が終わると、イスカミナがたたたーっと駆け出して色々と点検を始めた。


 ジェシカは大魔法を使った反動か、ふらついている。


「頑張りましたわ……!」

「素晴らしいです! ぴよも喜んでますよ!」

「ぴよ」(ぐっじょぶ)

「ぴよ〜」(お疲れ様〜)


 ジェシカはぴよ達にもみもみされていた。


「ああ……やわらか、ふわふわ……」

「疲れを癒やしているな……」


 魔力ポーションを飲めば、さらに復活するだろう。

 すすっと渡しておく。


 イスカミナがパタパタと戻ってきた。


「漏れはなさそうもぐ! オッケーもぐ!」

「おお、良かったな!」


 イスカミナの点検が終わり、俺達は堤防の上へ行く。

 参加してくれた冒険者達も一緒だ。


「「おーっ……!」」

「「ぴよー……!」」


 目の前には綺麗な水に満たされた池がある。

 7割くらいは水が入っており、もう立派なため池だ。


 アナリアとナナがイスカミナへ報告している。


「浄化システムも異状なしです、イスカミナ」

「循環・水門システムも異状なし。……本当に早く終わったねぇ」

「もぐ! みんなのおかげもぐー!」


 コカトリス達がそわそわしている。


「……ぴよ?」(……よい?)

「ぴよよ?」(もうダイブしてもよい?)


 ちなみにステラとレイアもそわそわしている。


「もう待ちきれないみたいだが……。飛び込んで大丈夫なのか?」

「……ぴよは大丈夫もぐ!」

「だ、そうだ」


 そう伝えると、コカトリス達は堤防からぽぽーんと飛び込む。


「「ぴよー!」」


 あるコカトリスは背面からダイブ。


「ぴよっぴ!」(背中からレッツゴー!)


 あるコカトリスはくるくる回転しながらダイブしていく。


「ぴよよー!」(回転飛び込みー!)


 待ちに待った飛び込みタイムだ。

 ハイテンションだな。


 飛び込んだコカトリスは優雅に泳いだり、浮かんだりしている。


「ぴよー……」(いいプールだね……)

「ぴよ!」(手っ取り早く泳ぎたいときは、こっちだね)

「ぴよよ!」(大自然の雄大さを感じたいときは湖ね!)

「「ぴよよー!」」(いいねー!)


 そしてステラは……ぎりぎりで踏みとどまっていた。


「ぴよは大丈夫、ぴよは大丈夫……もしかして人間は……?」

「非推奨もぐ」

「ぴよは?」

「オッケーもぐ。……まさか、もぐ?!」

「私はぴよな気がしてきました。そう、今この瞬間だけ――」

「母上、人間の尊厳はどうするんだぞ?」

「マルちゃんはかわいい子犬さんになれるじゃないですか」

「それもそうぴよね」

「ま、まぁ……水は思ったより綺麗だが」


 確かに普通の水を勢い良く流し込んでいたら、濁って泳げたものではないだろう。

 だがジェシカの魔法は想像以上に清浄な水を供給してくれていた。


「……この水なら、泳いでもオッケーもぐ……?」


 首を傾げるイスカミナに、アナリアが答える。


「ポーションもありますし、大丈夫じゃないですかね……」

「ちらっと調べた限りでは、そうもぐね……」

「わくわく」

「もぐ! 泳いでもいいもぐ! でもごくごく飲んじゃダメもぐよ!」


 イスカミナの言葉を聞くと、ステラはぽーんとノータイムで飛び込んだ。

 早い。


「……いったな」

「……いったもぐね。エルト様は行かないもぐ?」

「寒そうだし……」

「水温はヤバもぐね」

「ここで眺めていることにする」


 それからしばらく。


 俺はステラとコカトリス達の遊泳を見守っていたのだった。


 なお、レイアはドクターストップ(アナリアとナナ)により飛び込まなかった。

 ……まぁ、堤防の上からナナと一緒に、幸せそうにコカトリス達を見ていたが。

お読みいただき、ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 季節さえ良ければレイアも確実に飛び込んでいた件 まあそれ以外の村民も一緒ですかね、その場合
[良い点] 面白かった。
[一言] これは新たな名所になりそうですね〜。
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