489.水入れ
ディアの仲介で今来たコカトリス達と会話する。
ぴよっぴよ。
「ぴよ、お池作りをしたいそうぴよ!」
「それは構わないと思うが――」
ふと見ると、ステラとレイアは燃え尽きていた。
ぴくりとも動かない……。
「真っ白になってるんだぞ」
うっ、頭が……どこかのボクサーみたいな……。
「ウゴ、どうしたの……?」
「……尊さが極まったんだな。そっとしておこう、ちょっとしたら復帰するだろうし」
「クールなんだぞ」
「でも手伝ってくれるのはありがたいな。入ってもらう場所は……」
そこへイスカミナがとことこと来てくれた。
「もぐ! たくさん来てくれたもぐね!」
「お手伝いがしたい、みたいだが……どこで作業してもらおうか?」
「それなら、堤防近くの地面を固めて欲しいもぐ!」
「ぴよ! 伝えるぴよ!」
そんなこんなで、コカトリス達が勢揃いになった。
パワフルなぴよ達のおかげで、工事はガンガン進んでいく。
雛コカトリスも親コカトリスにつれられて、壁ぺったんをしているな。
「ぴよ!」(ぺったん!)
「ぴよよー!」(その調子ー!)
「ぴよ!」(ぺったんたん!)
ちなみにステラとレイアはちゃんと復帰してくれた。やはり『ぴよみ』が限界を超えたらしい。
「ふぅ、危ないところでした……」
やる気に燃えるステラもいるし、工事はいよいよ佳境に入る。
ジェシカとナナがやってきたのだ。
出来上がっている堤防の上から、全体を眺めている。
「……もうほぼ完成していますわ」
「すごーい。堤防もきちんと補強してるね」
「コカトリス達が来てくれたおかげでな……」
工事するコカトリス達は凄い。
ミスもないようだし……。
「もぐ! 全体チェックはオッケーもぐ! 仮の水入れも大丈夫もぐ!」
「了解ですわ、私はすぐにいけますわ」
「じゃあ、一旦退避もっぐー!」
イスカミナの呼びかけで、一回退避する。
まだ午後の早め……相当早い。
イスカミナが点呼をし、ちゃんと全員退避を確認する。
「点呼終わりもぐ! 水入れオッケーもぐ!」
「わかりましたわ……!」
堤防の上で、ジェシカが魔力を集中させる。
ちょっと離れている俺達にも、その魔力の大きさがわかった。
「ビリビリくるな……」
「かなりの大魔法のようですね」
ジェシカがばっと杖を振るう。魔力がはち切れんばかりに高まっていた。
「『神の水瓶』!!」
おおっ、水魔法でも最上級のやつだ。
攻撃的ではないが、広範囲に水を出現させる魔法である。浄化の力があり、広域バフに含まれる魔法だな。
空中に青色の魔法陣が描かれ、そこから勢い良く水が池へとなだれ込む。
まさに、幻想的な滝だ。
「ぴよー! きれーぴよー!」
うむ、工事の締めにふさわしい光景だ。
ほんのり元気になれる水なんだぞ!✧◝(⁰▿⁰)◜✧
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