485.穴掘り終わり!
ドガガガ……!
ステラは重機並みのパワーで穴を掘りまくり、夕方には終わらせていた。
「ふぅ……いかがでしょうか?」
「凄いな……。図面通りになっている」
イスカミナから渡された図面では、かなりの大きさの池が完成することになっていた。
「素晴らしいもぐ! あとは――堤防を作って管を通すもぐ!」
堤防は今、冒険者がせっせと作っている。
「そろそろ暗くなりますからね。今日はここまでにしましょうか」
アナリアの言葉に俺は頷く。
「そうだな。日が傾いてきたし」
夜に作業するのは事故の元である。
予定を大幅に超えるスピードだし、今日はこれくらいでいいだろう。
「明日にはぴよちゃんが浮かびますかね……?!」
「……どうだ?」
ステラは汗一つかいていない。
許されたら徹夜で作業しそうな雰囲気だ。
「地下水とジェシカの魔法で水を貯めるから、明日には浮かぶもぐー!」
「いいですねー!」
ぐっ!
イスカミナとステラがサムズアップしあう。
「きっとぴよちゃんも喜んでくれますね……!」
「そうだな。コカトリスは水浴びが大好きだし」
湖まではそれなりに距離がある。浮かぶだけならここでも大丈夫だ。
そうして今日の作業は終わった。
明日、水を引けば完成だな。
……本当にあっという間に出来てしまった。
◇
自宅にて。
夜ご飯を食べて、のんびりした時間を迎える。
「ウゴ、ういーん!」
「だぞだぞー!」
ウッドの肩に乗ったマルコシアスがきゃっきゃっと喜んでいる。
「明日が楽しみですね……」
「そうだな……」
「お池ができるぴよねー!」
「はい、今日たくさん穴を掘りましたから……!」
ちなみに今のステラは俺の膝に頭を乗せ、胸元にディアを抱えている。
「ウゴウゴ、ララトマも喜んでた。ドリアード的にも水はあればあるだけいいって」
「いつも水浴びしてるからな」
じょうろで頭からの水浴びだが……。
「あとは海底神殿から持って帰ってきた種もだな……」
「芽吹くといいですね」
もみもみ。
ステラがディアを愛でる。
ぴよぴよとディアはステラの身体の上で転がっていた。
「水が大切かもだからな。まぁ、こちらは気長にやってみるさ」
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