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475/834

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「……それはまた、どういう理由なんだ? 聞いてもらっていいか?」


 とはいえ理由はある程度、推測できた。

 ヒールベリーの村のコカトリスが色々と村の生活の利点を言ったのだろう。

 見た目もたぷついてるしな……。


 以下、海コカトリスのリーダーとのやり取りである。


「ぴよ」(そちらにはご飯がたくさんあると聞いて)

「ふむ……たくさんあるな」


 よそに輸出できるほど、たくさんある。

 海コカトリスは飢えていたみたいだし、重要だろうな。


「ぴよ」(あとは、海にも飽きました。眺めも変わらないし……)

「そうか……」


 飽きたかー……。

 なるほど……。


「ぴよ」(それに海藻とかしょっぱいし……)

「……まぁ、そうだろうな」


 そんな話をしていると、ステラが俺の左隣にすっと立っていた。


「エルぴよちゃん……」


 よよよ、とステラは俺の着ぐるみの肩に手を置く。


 絶体絶命である。


 ステラがほんのうっかりフルパワーを発揮したら、俺の左肩は心臓ごと粉砕されるだろう。


 いや、絶対しないとわかっているが……。


「移住は構わないが、生態的にはどうなんだ? ルイーゼは……」


 振り向くと、ルイーゼがいる。

 珍しく浮かんでいない。


 ルイーゼは両肩をヴィクターぴよに押さえられ、こっちに歩いてきた。……あるいは歩かされてきた。


「と、特に問題はないんだぜ……」

「本当に?」


 俺の言葉に、ヴィクターがぐっと背伸びする。

 かわいい。


「植物魔法で海藻を生やすのは悪くない。だがいきなり増やすと、周辺の生態系にも悪影響があり得る。やはり時間をかけて復活させた方がよい……ということで、賛成だ」

「博士……!」


 ステラが感激していた。

 ルイーゼがふーっと息を吐く。


「まぁ……漁場の回復にはしばらく時間はかかるだろうさ。元々、そちらの海コカトリスはここからもっと離れた所にいたんだし。好きなようにすればいいさ」

「わかった、ありがとう」


 ヴィクターぴよがぱっとルイーゼの肩から手を離す。


 ちなみにヴィクターぴよはすでに別のことを考えているようだった。


「味覚、ちゃんとした味覚があるのか……? 考えたこともなかったが……」


 まぁ、村人が増えるのはいいことだ。

 ぴよだけど……。


 俺はぴこぴこと羽を動かす。


「改めて――ヒールベリーの村への移住を歓迎するよ」

「歓迎するぴよ!」

「ぴよよー!」


 ヤッター、とでも言うように海コカトリス達が羽をバタバタさせる。


 ……ふむ。

 思ってもみない展開になったな。


 それでも悪い気は全然しない。

 村はさらに賑やかになるだろうしな。

お読みいただき、ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 海ぴよから湖ぴよにジョブチェンジ!? シーからレイクですね!! あと果物が豊富なのでたぷにご注意くださいw
[良い点] 増えるピヨたち! 村名は改名して「ヒールベリーの村」→「ヒールぴよの村」※ヒールベリーとぴよのミックス名(笑) これから益々もりあがりますね村っ! 楽しみです(≧▽≦)♪ ※オレンジプ…
[良い点] おいでませ海ぴよちゃんズ♪ そろそろ新しいパズルマッシュルームも生えてきそうですし、たぷったら、討伐&収穫&運搬すれば大丈夫そうですね。 [気になる点] 港町まで、ステラ&マルちゃんのば…
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