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471.ぴよの嗅覚

「すやー……ぴよぅ……」


 コカトリス達はすっかり寝ていた。

 ひとかたまりになって、もこもこのぴよ塊になっている。


「さっきの魔力放出でお疲れだったのかも知れませんね……」

「そうだな……。ずっと海からライトで照らしていてくれたし」


 目からぺかーするのは、カロリーも消費しそうだしな。

 ここまで協力してくれたのは本当にありがたい。


「……おやつを置いておこう」


 俺はコカトリスのすぐそばに近寄り、果物を生み出した。


 イチゴ、オレンジ、ブドウ……。


「ぴよっ!」(おきたっ!)


 目の前でコカトリス達がいっせいに目を開けた。


「うおっ! いきなり起きた!?」

「……ぴよ!」(……ご飯だ!)


 とはいえ、寝起きだからか動きは遅い。

 もぞもぞとぴよ塊がゆっくり分解して、果物へと群がっていく。


「んふふ。慌てずに、よく噛むんですよ……!」

「ウゴ、皮ごとはマズイから……」


 ヴィクターはじいっとイチゴをつまんで、コカトリスに差し出している。


「……お食べ」

「ぴよっぴ!」(たぷは燃えたから、食べるぜ!)


 口数少ないが……凄い集中力を感じる。着ぐるみの中から、凝視しているに違いない。


 ステラとウッド、ヴィクターが手伝いに来てくれた。


 ナナはお腹をごそごそ、布シートを取り出す。


「僕は少し休みたい。コカトリスの食事が終わったら引き上げようか」

「こっちは大丈夫だ。少し休んでいてくれ」

「ありがとう。お言葉に甘えるよ」


 そうして広げたシート上にごろんと寝転がった。


「帰りの体力もありますしね」

「そうだな、ジェシカも魔法を使いっぱなしだし。海中に行く前に休んでいてくれ」


 水中会話の魔法は大切だからな。なくなると意思疎通ができなくなるし。


 俺の目の前では、コカトリスがもっしゃもっしゃと果物を食べている。


「ぴよっぴ……ぴよよ」(おいちい……びば、果物)

「ぴよ……」(毎日食べたい……)

「……ぴよ?」(……んー?)


 海コカトリスの1体が、頭をモミの木に向けた。


 ……はっ!?

 それはご飯じゃない。


 食べられてはせっかく復活させたのが台無しである。


「ステイステイ、ご飯はこっちにあるから――」

「ぴよよ」(あそこにご飯がある)


 ん?

 コカトリスがぴよっとモミの木の根本を羽で示している。


「あそこにご飯……?」

「木じゃないのか?」


 ステラと俺は首を傾げる。コカトリスもんーむと首を傾げていた。


「ぴよぴよ」(種があるよ?)

「っ!? 種がある……!?」

「本当か?!」


 ステラがモミの木の根本にすっ飛んでいく。

 俺も慌てて、それについていった。


 本当なら、それも大発見だ!

お読みいただき、ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ステラさんはいつの間にコカトリスのぴよ語が分かるようになったのでしょうか? [一言] こんばんは。いつも楽しく読ませていただいてます。 頑張ってくださいね~ 返信不要です
[一言] みんなだんだんぴよ語がわかってきてるw
[一言] 更新有り難うございます。 食べ物と"プヨ"撲滅への情熱を燃やす!
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