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468/834

468.台座の間へ

「それは――本当なら大発見だな」


 俺はザンザスについて書かれた本を思い出していた。


 ザンザスのダンジョンも正確な由来は不明。

 真実は神話に彩られ、諸説入り乱れているのだ。


 神の祝福を受けた『使徒』の手による建造から、コカトリスの神が寝床として造ったとか――様々な説がある。


「何か年代や建造者の手がかりになるものがあればいいのですが……」


 そこへナナがすっと近づいてくる。


「なになに? 何か見つかった?」

「いえ、そういうわけではないのですが――ナナ、楽しそうですね……」

「そりゃ学者としてはテンション上がるよ。間違いなく古代で未知の建造物だもの」


 ぴぴぴぴこここ。

 ナナが羽を細かく動かしている。


 ……あの雷撃でヴィクターは肩こりが取れたとか言っていたが、ナナも肩こり解消したのかな?

 軽快な身のこなしである。

 それだけテンション上がっているんだな。


 と、ヴィクターもナナの隣に来て羽をぴこぴこし始めた。


「ふむ、確かに……。この海底神殿については、俺の本業――魔物学とも関係がある。論文にまとめて発表しよう。今年の学会賞も狙える」

「ちゃんと考えているんだな……」


 良かった。

 ただの着ぐるみ博士ではなかった。


「研究のために長期の出張許可も貰えるだろう。ふふっ……」


 ぴぴぴぴこここ。


「ウゴ、とっても楽しそう……」

「……そうですわね……」


 ちなみにコカトリス達もすっとナナとヴィクターの後ろに集まって羽を動かし始めていた。


 ぴこぴこぴこぴこ。


「ぴよよ」(ぐっど、羽ばたき)

「ぴよ」(あたしはただ、なんとなく)


 そんな話をしながら、海底神殿の廊下を歩いていく。


 外から見た海底神殿はかなり大きかったが、中も広大だな……。

 全て歩き回ったら何時間もかかりそうだ。


 すでにさっきの大広間から数十分は歩いている。

 だが――俺は知っていた。


 もうすぐ中心部だ。

 記憶通りなら、そこには台座の間があるはず。


 ゲームだと……そう、台座の間にはボスがいた。

 それほど強いボスではなかったが……ん?


 そこで俺は気が付いた。


 本来、海底神殿には様々なザコ敵が出現する。

 それが今は何も出現しない。いたのは星クラゲだけだ。

 他の魔物の気配はいっさいない。


 やがて回廊が終わり――俺達は台座の間へとたどり着いていた。

お読みいただき、ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] お大事に〜!
[良い点] お話の更新も大事だけど、中の人(リアルでの作者様)の体のほうが何百倍も大事ぴよ! ウチの愛鳥の1羽(オカメインコ♂)の特殊スキル『幸運度上昇(中レベル・48時間限定)』を発動させるぴよ!…
[一言] 無理しないでくださいなんだぞ。 体は大事ぴよね。 でも続きが気になっちゃうんだぞ。
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