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455/834

455.速さ重視で

 村から港に来たときは、ふたつのグループに分かれてやってきた。


 それが今回はヴィクターだけで、しかもコカトリス分重量が増えている。


 そのため……まぁ、かなり遅い。

 歩いたり走ったりよりは速いのだが。


「魔力の流れは変わらないな……」

「はい、特に変化なしですね。転換も連続では起きませんから、今のうちに進みたいところです」


 すいーっと。

 岩山の上空を飛行する。


 しばらくダンジョンの中心に向かって進むと、大気の魔力が濃くなってきた感じがする。


「……やはり中心部か」

「そうですね。ダンジョンの形は円形が多いですし……」

「その中心部が魔力の集中地点なら、そこでショックを与えれば――ダンジョンは崩壊する」


 これがおおまかな作戦なわけだ。

 中心部にはほぼ確実に星クラゲがおり、戦闘は避けられないだろうが……。


「ウゴ……? あれ、何だろう?」

「ん?」


 ウッドが指先を地上へと向けていた。

 ふむ……山の陰になってよく見えないな。


 近くに行ってライトで照らす必要があるが……ステラはどうだろうか?

 ぴよみっちりしているステラへ声をかける。


「ステラからは見えるか?」

「陰になっていますが……空間が歪んでいますね」

「下の階層へ繋がっている、ということですわ?」

「おそらく……しかし、このダンジョンの規模だと……」


 ステラの言葉をナナが引き継ぐ。


「多分、その中心部の歪みに飛び込むと――星クラゲの巣窟のど真ん中に出るだろうね」

「2階層がせいぜい、ということか」

「そうですね、しかも2階層目は狭いでしょう……。いきなりボスに出くわす可能性も――あっ」


 山の陰から星クラゲの大群がまた現れた。

 ……さきほどウッドが指差したところからだな。


「一旦降りて迎え撃つか」


 ヴィクターのつぶやきに、ステラが素早く反応する。


「いえ! それには及びません……!」

「むっ、だが――」

「あの山の陰へ、シュートしてください! うまく着地しますので!」


 ……ステラ?

 背負ってるコカトリス達は……いや、大丈夫か……。

 ばびゅーんもしていたしな。


「いいのか?」

「足腰には自信があります……!」

「ぴよ」(何か凄いセリフ聞いた)

「ぴよぴよぴよ?」(飛ぶ、飛べば、飛ぶとき?)

「ぴよっぴ!」(うぃーきゃん、ふらい!)


 ヴィクターが俺に視線を送る。

 俺はそっと頷いた。


 大丈夫、ステラは信用している。

 その間にも山陰から星クラゲが続々と浮かんでくる。


「よし……風の魔法で押し出すからな」

「はい……さん、にー、いちで!」

「さん、にー、いち、ぜろ!」

「はやっ! ああああぁぁぁーー……」


 ステラとぴよ達が猛烈なスピードで射出される。


「ぴよよー」(風が気持ちいいー)


 ……コカトリスはのんきな声を上げている。


「おお、でも姿勢は崩れてない! ありがとうございます、はかせーー……」

「ウゴ……」


 ステラの声が遠ざかりながら、黄色いかたまりが地面へと突き刺さる。


 ズドン!


 そのまま轟音を響かせて、ステラは山陰へと着地した。

(そう、母上はノリでツッコむタイプだぞ(。•̀ᴗ-)✧)


お読みいただき、ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] この技を【スティーブンぴよシュート】と名付けよう!
[一言] 更新有り難うございます。 三倍以上の加速力!?
[一言] メテオドライバーならぬステラドライバー(ぴよを添えて)
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