表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

452/834

452.投球と移動案

「ウゴー!」

「そうです! ナイスコントロール!」

「ウゴウゴ、ありがとう!」


 ウッドとステラは投石攻撃で星クラゲを着実に減らしていた。


「ぴよぴよ……」(せっせ……)

「ぴよっぴ!」(ねくすと、石!)


 やはり力仕事をするとコカトリスは凄いな。

 どんどん石を渡していく。


「えーい!」


 ステラは百発百中だな。

 流れるような投球フォームだ。


「さすが、投石の祖だね」


 ナナが七色の鞭をびゅんびゅん振るいながら呟く。


「投石の祖?」

「うん。冒険者で投石は基本技能のひとつなんだけど」

「……そうなのか? いや、投石は最後の攻撃手段か……」


 確か前世の本で読んだことがある。

 人がマンモスや他の大型動物に勝てたのは石を投げられたからだと。

 それほど投げる、という行為は強いのだ。


「そういうこと。立派なサバイバル術なのさ。だけどそれを本格的に取り入れたのは、ステラがやり出したからだとか……」

「そうなのか……。まぁ、ステラにしたら投石は高効率な遠距離攻撃だろうしな」


 横目でステラの投石を眺める。

 これだと弓や弩はいらないのではないか?

 どう考えても投げたほうが早そうだ。


「ふぅ……!」

「ウゴ、いなくなった?」


 気が付くと、星クラゲはいなくなっている。


 どれくらい倒したのだろう。

 100体は超えていたと思うけれど。


「打ち止めか……」

「そうだね。僕の望遠鏡でも確認はできない。ひとつの群れは倒し終えたかな」


 ナナが七色の鞭をお腹にしまう。

 やはり便利な魔法だな……。だが収納魔法は適正がないとここまで便利にならない。

 適正を増やす手もなくはないのだが……。


「怪我をした人はいないな? 星クラゲの来た方角へ向かおう」


 ポーション類はナナの着ぐるみに収納している。

 ある程度の魔力消耗も大丈夫だ。


「では……向かうなら、やはりあれですか」

「……あれ?」

「…………」


 ん?

 ナナが目をそらした。


「あっ」

「そうです! ダンジョンは意外と広いですから。ばびゅーんと進むのが効率的です!」


 ステラがぐっと拳を握る。


「ぴよちゃんの山なら、わたしがどうにかしますから……!」

「ぴよぴよ」(あいきゃん、ふらい?)


 ジェシカがちょこんと手を上げた。


「……いえ、私が考えるにですわ? 博士の風魔法で空を飛べばいいのでは……ですわ?」

「ふむ、そうだな。これくらいなら問題なく運べる。ただ、空で襲われたら俺は応戦できないが」

「……ということだ」


 俺はぽむっとステラの肩を叩く。


「ううっ……そう言われるとそうですね……」

「ウゴ、でもぴよ達は背負えるから……」


 ……?!


「そう言われると……そうですね……!」


 ステラがぐっと前に出る。


「危なくないよう、わたしがロープで繋いで責任持ちますね……!」

……兄上も染まり始めたんだぞ!?✧◝(⁰▿⁰)◜✧


お読みいただき、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] お兄様も脳筋になりかけて?(´・ω・`)
[一言] ああ、そういえばかの神々の戦ティタノマキアでも 巨神ヘカトンケイルが100本の腕による一斉投擲攻撃で活躍したとか。
[一言]  正直、この中で魔法が使えるなら、魔力の実と癒しの実を量産するだけでよさそう。効率はポーションには及ばないかもしれないけど数で何とでもなるはず。当然食べる方も何とでもなるから、植物魔法持ちさ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ