表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

450/834

450.転換

「これがダンジョンの『転換』ってやつか……。今日は色々と――ん?」


 俺は周囲を見回して気付いた。

 ナナが触れていた空間の歪み………それがなくなっている。


「気が付いたね。どうやら出入り口を見失ったみたいだ」

「……本では読んでいたが、恐ろしいな」


 不安定なダンジョンでは、しばしば風景が一変する。それに伴い、出入り口から離される。


 ヴィクターが手に持ったシダ植物はそのままだが。


「様々な具材で切り分けられたピザのようなものだ。俺達はジャングルのピースから、岩山のピースへと移動させられた」

「分かりやすい例えですわ……」

「出入り口は変わらず、あのシダ植物のジャングルにあるのか?」

「ああ、その通りだろう。問題はどの方角かだが……」


 どの程度の移動だったのか、それがわからないと帰り道もわからないわけだな。

 ステラは目を閉じて、静かにしている。


「集中すれば分かります……さきほどの魔力の流れを辿れば」


 そういうものか……。

 俺も集中して魔力を辿ってみる。


「……そういうものでしたかしら?」

「いや、僕も聞いたことないけど……」

「俺もだな。学院でもそういうのは教えていない」


 ジェシカとナナ、ヴィクターの声が聞こえる。

 さらっとステラの超人技のひとつだったか……。


 いや、だが……わかる。

 魔力の流れがそよ風のように感じられる。この岩山の魔力はさきほどのジャングルとは――少し違う。


「……あちら側か?」

「そうです……! さすがエルぴよちゃんです!」


 さわさわ。

 ステラが俺の着ぐるみお腹を撫でる。


 いや、さっきエルトって呼んでたよな。

 焦ってたからその呼び方になったのだろうが……。


「ウゴ、俺もなんとなくわかる……かも……」

「ウッドもわかるのか。……やはり俺の子どもだからかな?」

「ウゴ! きっとそう!」

「わたしの秘蔵っ子でもありますからね……!」


 どやぁ。

 二人してドヤ顔、やや親バカである。


「こほん……。魔力の流れで出入り口がわかったのなら、一安心ではあるな」

「闇雲に歩かなくてすむからね。ただ出入り口がわかっても、すぐには――」


 ナナがピクッと反応する。


「あっちの岩山の陰から、星クラゲだ。それもかなりの数」

「むっ、まだ見えませんが……ついに来ましたか」


 ここには水はないが、ダンジョン内では魔物は生態を変化させて適応する。


「見えてきましたね……」


 むぅ、俺にも見えてきた。


 星クラゲの大群が空を飛んでいる。まっすぐこちらに向かってくるな。

 魔力を糧にして……とはいえ、少しシュールか。


 ダンジョン化していた場合の目標はひとつ。ボス個体―もしくは魔力の源を探すこと。


「よし……とりあえず星クラゲを退治するか」


 あの群れが来た方向に行けば、何かあるかもしれないからな。

エルぴよのお腹は限りなく本物ぴよのお腹に近い、グッドデザインなんだぞ……!✧◝(⁰▿⁰)◜✧


お読みいただき、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 「ベストぴよ着ぐるみニスト大賞」というパワーワードが脳内に
[一言] 更新有り難う御座います。 赤いピヨ星「……見えるピヨ! ワタシにも出口が見えるピヨ!」
[一言] 迷子即出口発見 ダンジョン泣かせのエルぴよご一家 ぴよセラピーは継続中
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ